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南江 幾乃
2023年7月11日 01:04
庭に、ハナミズキの木が一本植えてある。いつの間にか、高さが三メートル近くになっている。 子供が小さな頃。可愛いピンク色に咲いた花を見ては、親父に、「おじいちゃん、これハナミズの木よね」と、まさに、鼻の下に鼻水を垂らしながらよく言っていた。「そうそう、ハナミズの木だよ」と穏やかに笑っていた。 その親父が庭の手入れをする時、いつも青い手袋をはめていた。そして、大きく背伸びをして