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Re:11,眠れる猫とかつての友と

オリジナルのゲーム音楽風インスト曲「眠れる猫とかつての友と」のリメイクです。明るく爽やかなエンディングをイメージして書いた曲になります。旅の終わりは寂しいものですが、再会と次の出会いを胸に前に進むイメージです。アレンジ前に比べるとちょっと明るくなった気がします。
今回も、曲の元になった物語を載せてみます。

"旅を終え、この国で出会った猫達を思い返す。
最初に出会ったのは私の話を聞きたがった三毛猫のニルギリ。…個性的な性格にはとても戸惑ったが、彼が勧めてくれたこの国の食事処や教会、遺跡群は何処も魅力的で良い旅の思い出になった。
地下遺跡の入り口を守っていた虎猫のビンゴ。…普段は探偵の真似事をしているらしい。遺跡から出た後に彼を訪ねたら、探し物の手伝いをさせられた。
地下遺跡の街で出会った白猫にシラキー。文字通り雲のように現れては消える彼女は悪戯好きで、お気に入りのハンカチをズタズタにされた。
この三匹は定期的に会うくらい仲が良いらしい。遺跡から出た後に彼らと共に国を改めて見た回った。個性の塊である彼らと見る景色は一人で見た時よりも鮮やかだった。三匹と別れる前にシラキーから破かれたハンカチの代わりとして月が刺繍された藍色の新しいハンカチをプレゼントしてもらった。…刺繍はニルギリが施してくれたらしい。

"知性と蒸気の森"の奥の水源地で出会った黒猫。彼女の話に耳を傾けているといつの間にか体格の大きなぶち猫が私の横に立っていた。彼は泉で出会った花束を背負った猫。彼女曰く、国の猫達を支える医療猫。彼は黒猫の横に並ぶと彼女と共に国について語り出した。ぶち猫の声は少し高くて、少年のような声をしている。黒猫とぶち猫がやさしく語る話はとても心地良くていつまでも聞いていたくなる。黒猫が語ればぶち猫が相づちを打ち、時に補足を入れ…ぶち猫が語る補足を黒猫が更に広げる。一人寂しそうに黒猫が語っていた物語は二匹になってからは暖かな昔話に変わっていった。かつての5匹と4人の暖かな思い出がこの場所いっぱいに広がっていく。
私は二匹の物語を聞き、改めてこの国で見聞きしたものを思い返していた。この国は、間違いなく彼らにとって楽園だったんだ。"


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