野間文芸賞を受賞した、中村文則『列』
今回紹介する本は、中村文則氏の『列』。
群像という雑誌に掲載され、あとから単行本化されている本です。
その本が昨日、「野間文芸賞」を受賞しました。おめでとうございます。
中村文則氏は有名な小説家さんらしいのですが、自分が読んだことのある小説はこの一冊のみです。
ですがこの小説、一度読むとまた読みたくなるような小説で、間隔を開けて3回ほど読みました。
刺さる人には刺さる小説だと思います。
理解が浅くなってしまっているかもしれませんが、感想を記事にさせていただきたいと思います。
(ネタバレは最小限に留めます)
自分はこの小説の主題は、競争社会への疑問だと思いました。
作中には列に並ぶ人物が登場し、彼らの間での駆け引きが行われます。淡々とその様子が描かれていることがシュールというかクールというか、何とも言えない魅力になっています。
個人的には丁寧な筆運びに惹かれました。
この本のジャンルですが、
おそらく純文学なのかな?と思っています。
作中に登場する列がかなり抽象的な存在となっていて、SFともとれるストーリーになっています。
SF好きの方が読むと楽しめると思います。
作者さん曰く、
「人間とは何かについて、書きたかった」
のだそう。
かっこいい〜
皆さんも一度手にとってみてはいかがでしょうか?