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「雲やさん」

このお話は、長男が思いついた創作です。

4歳長男のアイディアや発言を、なるべくそのまま残しつつ、ストーリーに落とし込みました。
そのため、物語としてやや可笑しな点もありますが、長男の考えたそのままを残したかったので、ご容赦ください。

レゴで雲を作ったところから、この物語は生まれました。


空には、雲を売るお店があります。

「雲やさん」です。


雲やさんには、4つの雲が売っています。

長男作。雲やさんで売ってる4つの雲。


ひとつ目は、「はれぐも」。
水色で、もくもくしています。
太陽が売っています。
ひとつ100円です。

ふたつ目は、「あめぐも」。
すこし形がプロペラみたいです。
雲が売っています。
ひとつ102円です。

みっつ目は、「かみなりぐも」。
とげとげしたところがあります。
鬼が売っています。
ひとつ120万円です。

よっつ目は、「ゆきぐも」。
白いところがあります。
寒い風が売っています。
ひとつ102万円です。


この4つの雲は、神様が買いにきます。
神様は、それぞれの場所のお天気を決める「大きな雲」に頼まれて、お買い物にやってきます。

お天気を決める「大きな雲」は、動く力が10しかありませんが、神様は200あります。
だから、大きな雲の代わりに、神様が買いにきてあげているのです。




今日も、いろんな場所から、神様が雲を買いに来ました。

ある神様は、「あめぐも」を買いました。
その神様のいる国は、砂の山ばっかりで、ぜんぜん雨が降りません。
雨を降らせてほしいひとがたくさんいます。
だから、「あめぐも」を買うのです。
神様は、102円を払いました。


雲を買うためのお金は、べつの雲に落ちています。
たくさん落ちています。

お金は、夜のあいだに、UFOが落とした星です。
神様がキャッチして、お金を受け取ることもできます。


べつの神様がやってきて、「ゆきぐも」を買っていきました。
その国は、いつも暑いです。
寒くしてほしいひとがたくさんいます。
だから「ゆきぐも」を買うのです。
神様は、102万円払いました。


また、べつの神様がやってきて、「はれぐも」を買っていきました。
その国は、毎日雨が降ります。
晴れた日を待つひとがたくさんいます。
だから、「はれぐも」を買うのです。
神様は、100円を払いました。
安いなあ、と思いました。


売れ残った「かみなりぐも」でしたが、これも遠い国の神様が買いました。
その国は、鬼の国でした。
鬼は、雷が大好きです。
だから、「かみなりぐも」を買うのです。
神様は、120万円払いました。
高いなあ、と思いました。


こうして、「雲やさん」の雲は、みんな売り切れました。
お店は、本日閉店となりました。

神様が買って帰った雲のおかげで、ある国では雨が降り、ある国では雪が降り、ある国ではひさしぶりにお日様が出ました。
そして、鬼の国では大きな音で雷がたくさん鳴りました。
鬼はとっても、よろこびました。


また次の日には、「雲やさん」に雲が売られます。
種類も、値段も変わります。
つぎは、どんな雲が売られるのでしょう。

神様は、明日もまた、雲を買いに出かけます。


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