一度壮大にキレてみた ①
メイクアップアーティストになるという知人。
私がモデルになり練習台になったある日。
何度か会う中、昔の話になった。
中学生の頃だ。
お互い「いじめ」にあった過去があり
お互いそれを少しばかり「過激」に解決した
経験を持っていた。
知人は
「昔、掃除の時間だったかな。
いじめる奴らを前にして、モップを振り回したんよね」
ブンブン振り回し、窓ガラスから何から
そこにあるものを破壊したらしい。
「らしい」というのは、
その時の記憶がなく、気づいたらそうなっていたと言うのだ。
彼女は「あれがキレたっていうんやろうね~」
私の顔にチークをホワホワとのせながら話していた。
この私たちの画ずら。
メイクをしてもらいながらの画ずらと似合わない話しだが。
「彼女がキレた」以降、いじめられることはなくなったという。
本気になった人間は、誰も止められない。
そういう奴らにはしっかりと、自分たちが何をしているのか
思い知らせる必要がある。
(できることなら…)
ましてや、無視から始まったいじめ。
どんどんエスカレートしていく。
特に誰かを標的にしないと自分の機嫌を取れないような奴らに対しては。
「私もある。一度は本気でキレたことあるわ」
目を閉じてされるがままの私は
私の「本気の過去」を話し始めた。