バロック時代の音楽についてのメモ
クラシック音楽の3つの区分
クラシック音楽は3つの時代に分けられる。それがバロック時代、古典派時代、ロマン派時代の3つだ。それぞれのざっくりとした年代と代表する音楽家は以下の通りだが、はっきりと決まっているわけではない。
バロック時代(1600年~1750年):バッハ、ヘンデル
古典派時代(1750年~1820年):モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン
ロマン派時代(1820年~1920年):ブラームス、ワーグナー、他多数
今回はバロック時代に注目して話していく。
バロック音楽(1600年~1750年)
バロック音楽の特徴は豪華絢爛な音楽であると言われている。何をもって豪華なのかと言えば、とにかく装飾が多いことだ。王族・貴族が立派なジュエリーをたくさん身にまとっている姿がまさにそれだ。
音楽的には、細かな音の装飾が多く、演奏や歌唱には奏者の技術が問われるものが多いのがバロック音楽の特徴。
もともとバロックという言葉は「いびつな形をした真珠」という意味のポルトガル語だった。それが時代区分に使われた由来は音楽に限らず装飾過多な文化だったことへの皮肉のような意味合いがあったとされる。
音楽家の主な就職先は、宮廷か教会の2つ。まだ音楽家の立場は弱く、召使としての役割もこなした。
音楽家にとって個人の収益となりうる楽譜の出版技術は1500年ごろからあったが、古典派時代以降ほど活発には行われなかった。
ちなみに、オペラの生まれた1600年ごろ~バッハの亡くなった1750年で時代が区分されている。
この時代の少し前にはルターによる宗教改革(1517年~)が起こり、教会に属する音楽家たちにも少なからず影響があった。
音楽の特徴
感情を重視:音の美しさだけでなく、感情表現も行った。
豪華絢爛:細かな装飾音やコロラトゥーラがたくさん使われた。
通奏低音の採用:最初から最後まで続く低音演奏が採用された。
<用語解説>
〇コロラトゥーラ:細かく速い音符の連なりを、まるで声を転がすように歌う技法。
〇通奏低音:低音と和音(コード)が最初から最後まで続く形式。自由度が高く演奏者のアドリブが入り、奏者の演奏技術が問われた。
<おすすめ動画:とても分かりやすかったです。>
代表的な音楽家
モンテヴェルディ(1567年~1645年)『オルフェオ』
ルネサンス期からバロック時代にかけて活躍。現存する最古のオペラを作曲した。歌唱が複雑に絡み合うポリフォニー形式よりシンプルなモノディ形式の音楽を好んだ。
パッヘルベル(1653年~1706年)『パッヘルベルのカノン』
義に厚いオルガニスト。若いころから勉強も音楽も優秀だった。当時のドイツではかなり有名な音楽家だった。
ヴィヴァルディ(1678年~1741年)『四季』
司祭になりたい!と思いつつも音楽の道へ。でも、結局司祭にもなる。愛称は赤毛の司祭。教会では教師として大活躍した時期がある。しかし、晩年は勢いを失った。
ヘンデル(1685年~1759年)『メサイヤ』
マルチな才能で波乱万丈の人生を送った音楽家。親友マッテゾンとの決闘や、貴族オペラとの経営対決、外交能力を見込まれ宮廷の音楽家になるなど面白いエピソードに事欠かない。
バッハ(1685年~1750年)『G線上のアリア』
生前より没後に注目された音楽家。多大な影響力から音楽の父と呼ばれている。対位法的なフーガやカノンを多数作曲し、音楽的な特徴はどちらかというとルネサンス寄りとも言える。
<感想的なサムシング>
これまでの自分の認識だと、芸術が大きく変化した時代と言えばルネサンス期だった。しかし、その後のバロック時代からも大きな変化があったことには驚いた。まだ記事にはできていないが、クラシックという分野自体がヨーロッパの市民革命の変化に大きく影響を受けているというのもまた面白い。
次回からは古典派時代についての記事を書きたいが、その先駆けとして、ざっくりと古典派時代の特徴をさらっていくことにする。それではまた。