アクセプタンスアンドコミットメントセラピーの脱落率に与える因子とは?
アクセプタンス&コミットメントセラピーおよびその他の積極的な治療における治療の脱落、理由およびモデレーターの現象
The phenomenon of treatment dropout, reasons and moderators in acceptance and commitment therapy and other active treatments
アクセプタンスアンドコミットメントセラピーというものがある。
これは精神疾患などでたち現れる不快な感情に対して、対決したり無視したりすることなく、柳が風を受け流すように、あるがままに捉えることを主眼としたものである。
いろんな論文を読んでいると、なかなかに効果はありそうなのだが実際のところ、脱落率も気になる。
研究の多くは介入の途中で脱落した人のデータを省いているので、アクセプタンスアンドコミットメントセラピーも、訓練で脱落しなかった人だけのデータだけで、効いた、効かないを論じている可能性があるからだ。
というわけで今回はアンドコミットメントセラピーのドロップアウト(脱落)についての総説論文を読んで見る。
この研究では76件のアクセプタンスアンドコミットメントセラピーの介入研究で示されたドロップアウトに関するデータを取りまとめ分析しているのだが、この論文によると
・アクセプタンスアンドコミットメントセラピーの脱落率は17.95%で、この数字は比較対象とされた認知行動療法などとほぼ同じ。
・セラピストが修士以上の有資格者であると脱落率は低く、学生のような経験の浅いものだと脱落率が高い。
・脱落した理由としては、セラピストとの接触がなくなることがあげられている。
・重度の精神疾患患者は比較的脱落率が低い。
・認知行動療法は曝露訓練が始まった段階で脱落するが、アクセプタンスアンドコミットメントセラピーはその後の段階で脱落する。
などなどといったことが書かれている。
Q: 精神疾患は治療も大事だけど、ほうっておいても時間経過でよくなるんじゃないだろうか?
明日目を通す論文:
プライマリケアにおける大 うつ病性障害の自然経過と結果:PREDICT-NL研究
The natural course and outcome of major depressive disorder in primary care: the PREDICT-NL study