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精神疾患におけるスキーマ理論

気分障害と不安障害におけるスキーマ理論とスキーマ療法: レビュー
Schema theory and schema therapy in mood and anxiety disorders: A review.

「色眼鏡を掛けて物を見る」という言葉があるが、大なり小なり私達は思い込みと偏見で世界を見ている。

その程度が僅かであれば生きる上でそんなに困ることはないけれど、それがずいぶん偏ったものであれば、日常生活や人との付き合いでいろいろと困ることが生じてしまう。

こういったモノの見方は、スキーマと呼ばれ、特に小さな頃の辛い経験から生じた偏りの強いスキーマは、早期不適応スキーマと呼ばれるそうだ。

今回取り上げる論文は、早期不適応スキーマと精神疾患の関係について概説したもの。

一言で内容を言ってしまえば、うつ病、不安障害(パニック障害含む)、統合失調症、躁うつ病、強迫性障害など様々な精神疾患には早期不適応スキーマが関係していること、

また不安障害やパニック障害については、「この世は何があるかわからないし、自分はそれにいとも簡単にやられてしまう」スキーマの影響が大きかったことなどが記されている。

再掲にはなるが、早期不適応スキーマについては以下の通り

第一領域:切断と拒否(人とのかかわりが断絶されること)
見捨てられスキーマ
不信・虐待スキーマ
「愛されない」「分かってもらえない」スキーマ
欠陥・恥スキーマ
孤立スキーマ
第二領域:自立性とパフォーマンスの障害(「できない自分」にしかなれないこと)
無能・依存スキーマ
「この世は何があるかわからないし、自分はそれにいとも簡単にやられてしまう」スキーマ
巻き込まれスキーマ
失敗スキーマ
第三領域:他者へとの方向性(他人を優先し、自己を抑えること)
征服スキーマ
自己犠牲スキーマ
「ほめられたい」「評価されたい」スキーマ
第四領域:過度の警告と禁止(物事を悲観し、自分や他人を追い詰めること)
否定・悲観スキーマ
感情抑制スキーマ
完璧主義的「べき」スキーマ
「できなければ罰せられるべき」スキーマ
第五領域:壊れた限界(自分勝手になりすぎること)
「俺様」「女王様」スキーマ
「自分をコントロールできない」スキーマ

Q: スキーマ療法ってどれくらい効果があるんだろう?

明日目を通す論文:
うつ病の心理療法: スキーマ療法と認知行動療法を比較するランダム化臨床試験
Psychotherapy for depression: A randomized clinical trial comparing schema therapy and cognitive behavior therapy

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