浴室のリフォームが後回しにされる理由
①高額な費用
浴室リフォームが後回しにされてしまう理由はさまざま考えられますが、その一つとして費用が高いことが挙げられます。
浴室のリフォームは、浴室の大きさによっても変わりますが、一般的に100万円ほどの費用がかかります。
「どうしてこんなに高額なのか?」と疑問に感じる人がいるかもしれませんが、そのわけは浴室のリフォーム形式にあります。
浴室リフォームは、浴室をすべて一新する「フルリフォーム」の形式で行われる場合がほとんどです。
フルリフォームでは、「解体撤去工事(以下、解体工事)」を行い、何もないガランとした空間になるほど、徹底的に設備を解体していく必要があります。
解体には工事費用のほか、さまざまな業者が関わるため、人件費もかさみます。
詳しくは後に解説しますが、解体業者や水道業者、設備業者、さらには電気業者や大工なども携わるのです。
そのため、費用が高額になってしまいます。
また、浴室は、外壁やキッチン、リビングなどほかの場所と違って、お客さんを通すことがほとんどありません。
家族のみが使うのであれば、「少し古くてもいいや」と考えがちですし、限られた予算をリフォームに使うなら浴室ではなく、人目につく外壁やリビン
グに使おうとも考えてしまうのは、ある意味自然な流れです。
②工期が長い
浴室リフォームには、費用だけではなくある程度の工期もかかります。
簡単なものでも4~5日、複雑な作業工程のあるものだと2週間近くかかることもあります。
この日数には、先に述べた浴室リフォームの解体工事のほか、解体工事後のバスフロアの裏側を処理する下地調整、水道や換気扇、照明といった設備の取り付けの工程などが含まれます。
解体工事や下地調整にも1日以上を要しますが、各設備の取り付けにはそれ以上の時間を要します。
下地調整まではリフォーム業者が行えますが、水栓の取り付けは水道業者、空調の取り付けは電気業者、浴室のドアの取り付けは大工など、一つひとつの作業はそれぞれの業者が別々に担当しなくてはなりません。
その分だけ手間がかかり工期も長くなります。
工期が長くなればなるほど入浴できない期間も長くなり、生活にも支障が出てきます。
長いこと入浴しないわけにもいきませんから、リフォーム中は銭湯に通ったり、親戚や知人宅でお風呂を借りたりする必要があります。
特に夏場であれば、1日、2日でさえも自由に入浴できない環境というのは不便を感じることでしょう。
その不便さから、リフォームを躊躇してしまう人も少なくないのです。
③不便さを感じにくい
浴室は「リフォームを後回しにしても不便を感じにくい場所である」ことも、後回しにされてしまう理由の一つです。
キッチンであれば、棚の扉が外れたりして「使いにくい」と不便を感じることでしょう。
しかし、浴室は「使い勝手の良し悪しが分かる仕掛け」が少ないため、劣化した状態で毎日使っていても「使い勝手が悪い」という不便さを感じにくいのです。
その結果、本当は寿命を迎えているにもかかわらず
「漏水していないので、まだまだ使える」と感じてしまいます。
そうなれば、リフォームする気にはなりません。
それは「10万キロを超えたけれどまだ乗れる自動車を、どうして買い替える必要があるのか?」という話と同じです。
多くの人は、自動車のエンジンの調子が良ければ、外見が多少古ぼけてきても「まだ使えるじゃない」と思い、使い続けてしまうことでしょう。
そうしているうちに、気づいたら大きく劣化してしまった…………
なんていうことも少なくありません。
後回しにした不快な浴室に慣れてしまう
ただ、浴室のリフォームを後回しにすれば、「カビだらけ」の不潔な浴室のなかで入浴しなければいけません。
もし、裸で入る浴室がカビだらけだったとしたら、ほとんどの人は生理的に嫌だと感じるはずです。
しかし、不快に感じる浴室でもその状態を放置していると、次第に慣れてしまうものです。
浴室では短い時間しか過ごしません。
半身浴などで長めに入浴する人もいますが、そういう人でも、さすがに一日に十何時間も浴室にいることはないでしょう。
特に、子育てを行う共働き世代であれば、湯船に何十分という時間浸かっていることすら難しくなります。
仕事と家事を1日でこなさなければいけないので、帰宅してから就寝するまでにも家事が残っています。
そのため、ゆっくりと入浴している暇がありません。
最近では、「短めの入浴でもよく効く」と謳う入浴剤が発売されていますが、それは入浴時間が短めの人が増えている証拠でしょう。
このように「少しの時間だけ我慢すればいい」と考えて、不快な浴室を放置してしまう人は少なくありません。
こうして我慢を重ねた結果、浴室は劣化していき、限界を迎えてしまうことになります。
小林誠司 紹介VTR
(TV番組「密着ドキュメンタリー分岐点」より)
理想化研 サービス紹介VTR
(TV番組「密着ドキュメンタリー分岐点」より)