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初めての小説執筆に心が折れそうになりながらも、最後まで書き切れた理由【改訂版】

この記事は、以前にも投稿したのですが、ちょっと冷静に見つめ直し、加筆修正しました。前記事で「スキ」を下さった皆様、ごめんなさい。何卒ご了承くださいませ。

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こんにちは。鳴海  碧(なるうみ・あお)です。
本日もサウナのような蒸し暑さでしたね。

「創作大賞2024」の〆切まで、あと少し。私は小説2本を無事に応募できて、ホッとしています。

普段は、建築系コンサルティング企業でプロジェクトマネジャーとして働く理系な私。小説を書くのは人生で初めてでした。

はい、そりゃもう、大変でした。何度も心が折れそうになりました。

どんな風に大変だったか?それでも最後まで書き切れたのはなぜか?
今回は、この件について書いてみたいと思います。


01 小説とレポートは根本的に違う!

まず最初に書いたのは、短編『たそがれ』(17,000字)。400字詰め原稿用紙で50枚、A4レポートで15枚です。

これは意外と、サクッと書けました。
普段から大量の資料を読み込み、頻繁にレポートを書いているので、これくらいなら難なく書けるんですね。(内容が面白いかどうかは別として)

ただですね…。書けるのは書けますが、エモーショナルに書くことには慣れていない。このことに大変苦労しました。

私の専業はコンストラクションマネジメント、すなわち、「大型建築プロジェクトの建設コスト管理、工事工程管理、品質管理、運用管理、リスク管理」なので、日常的には、ひたすら調査、ひたすら分析、ひたすらロジカル脳、なんですね。(クリエイティブな業務もあるにはあるんですが)

だから、小説に最も必要(と思われる)、「登場人物の感情を繊細に表現する」とか「読者の感情を強く揺さぶる」というエモーショナル脳を使うことが少ないのです。

とはいえ、前職では長らく、公共建築(教育・医療・庁舎が得意)の提案・設計をしていたので、一応、建築家のはしくれ。「そのうち、エモーショナル脳が復活してくれるに違いない」と信じて書き続けました。


02 新人未満には無謀なテーマを設定

次に書いた『早春賦』は「2年間を通しての、主人公二人の心の成長」の物語。
…新人未満の人間が手出しするテーマではないですね、苦笑

当初は、「バーに勤める女の子と、おばちゃん占い師のふれあい」みたいな、ライトな短編ものにする予定だったのです。

しかし、書き進めるうちに、書きたいテーマが深くになり……。加えて、私自身が主人公たち(バーに勤める女の子と、バーテンダーのおっさん。…何歳から「おっさん」と呼ぶかは微妙なところ)のことをとても好きになってしまって、
「どうしても、この二人のことを納得できるまで書きたい。二人が春を迎えるまでのプロセスを書き切りたい」
そう思うようになりました。
そうして気づいたら、なんと約90,000字(400字詰め原稿用紙250枚)に。ここで沼に落ちました。


03 脳が覚醒し過ぎて眠れない

それでも一所懸命に書いているうちに、ある日突然、下のような状況に陥りました。

・登場人物が勝手に喋り始める
・私が寝てる間に勝手に物語が進行する
・登場人物が勝手に成長してしまう(精神的に)

私の筆が全然、追いつかない。書けば書くほど、登場人物の心情がわからなくなる。
途中でキャラがブレてしまい、ペルソナの再構築を余儀なくされる。併せて、それまでのストーリーを見直す。
次第に、主軸となるテーマがずれてくる…

もう、必死で何度も書き直しました。仕事から帰宅して夜中まで執筆。土日も執筆。ゴールデンウィークも執筆。
次第に脳が覚醒して、一日2時間くらいしか眠れなくなり、ご飯も食べられなくなり、仕事中に白昼夢を見るようになり…1週間で3㎏やせました。


04 話を削れなくて、心が折れそうに

最終的に、二十回以上書き直し、ようやく完成。しかし。

「400字詰め原稿用紙で250枚。こんな長い小説、初出で読んでもらえるだろうか…(いや、自分でも無理)」

そう思い、せっせと削るんですが、話を削るって、本当に難しい。削っては書き足し、書き足しては削る。しまいには最初から書き直す。…もう、地獄ですね。

すでに二十回以上書き直しているのに、さらにこんなことを繰り返していたら、確実にメンタルを病んでしまう。ああ、心が折れそう。
もう無理。今回は全部を書き切っちゃおう。
そう割り切ることで、なんとかゴール地点に立てました。


05 それでも最後まで書き切れた理由

そんなこんなで、なんとか書き上げた『早春賦』。
最終的には、作者としては全力を出し切って、納得のいく作品になりました。

途中で何度も心が折れそうになりながらも、最後まで書くことができたのは、なぜか。考えてみるに、
「私は、この主人公たちが大好き。私が書かなければ、主人公たちは『この世に生きなかった』ことになってしまう。この二人の生存証明のためにも、責任を持って書かねば。」
という使命感でした。

もちろん、登場人物は最初から私の脳内にしか存在しないので、生存証明も何もないのですが、二人の話に耳を傾け、対話するうちに、「登場人物が本当にどこかで生きていることにしたい。そのためにも、世に出して、一人でも多くの人に二人のことを知ってほしい。」と思うようになったのです。

最終的には、(ベタな表現で恐縮ですが)登場人物たちへの熱い想いが、執筆の支えになったのだと思います。

とは言え…そういう「作者の執着、自己満足、あるいは暴走」だけでは、小説には不十分なのですよね。そのこともまた、痛感した5か月でした。


以上、とりとめのない話になってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
このnoteを読んでご興味持ってくださった方、小説も読んでいただけると嬉しいです。


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