カリスマの凋落 その際に起こっていること
これまで多くのカリスマといわれる人達が現れ消えていった。その時に、本人とその周囲に起こっている現象の本質について。
カリスマが現れて世間に君臨し、そのうち世間に飲まれ、内から出ていた輝きは放出されつくし、あとは残骸として、有名なただの人が残るばかりだ。
彼はいつのタイミングでどのように変わってしまったのか?
内面の輝きが失われると、かつてのカリスマは以下のような言動をしだす。
いつしかの昔の自分だったらこう言っていただろう。
世間から見える俺はこうだからこういう振舞いがいいだろう。
俺ってこうだよな。
これでは一般人の行動原理と何も変わらない。
空虚な自意識や記憶や習慣を自分と思い込み、様々な理由をつけて演じる。
その際には必ず不安を抑圧している。輝きが消えつつあること。完全に消えてしまっているかもしれないこと。何かが狂ってきていること。
いつしか消えてしまった内面から沸く指針 に目を背け、日々の派手な人付き合いに明け暮れ、それが定着する。
すると、以前の自分と全く同じような発言、行動に見えても、それがただのかっこつけた人に見えたり、滑稽だったり、自意識ばかりが際立つようになる。
なぜ昔と同じなのに他人からの評判が変わるのか?飽きられたのか?時代が変わったのか?と本人は苦しむ。
違う。お前の内面が変わったのだよ。
内面から沸き出す真実が表現されるとき、それはいかに社会的に物議をかもす行動だとしても、その言動は不思議な説得力を持ち、ときにカリスマとして受け入れられる。そういった現象に過ぎないのだ。
一旦社会がカリスマを受け入れたからといって、同じ人間が同じ行動をして受けれられ続けるという保証がされたわけでもないし、定理があるわけでもない。
それでは彼の輝きを奪ってしまうものとはなんだろう?
一番の原因は彼の孤独だ。
彼は「見えている」ため世間との違和感に苦しみ、それを人と分かち合えない苦しみを抱える。
そうしてなんらかの行動によって人々にそれを証明しようとする。
実際には完全な証明とは程遠い、わかりやすい「結果」で上っ面だけが認められているに過ぎないが。それでも彼はその行動によっていささかの充実を味わおうとする。
彼が何らかの「結果」を出し「有名」になり「人気」を獲得し、彼の表現するものに人々が賛同したりもてはやしたりし出すと、彼はこれまでになく「人から理解され認められた」気分になり、「孤独が埋まったように感じて」満足する。
が、真実はそうではない。 彼が次元の高い所からインスピレーションを得て表現したものは、そのまま人々に伝わったのではなく、そのうち1%程度がみんなよくわからないうちに、それに近い受け取り可能なレベルの人だけに、おぼろげながら伝わったにすぎないのであって、
評価してくる他人のほとんどが、そんなものは分からずに、勝手に次元を下げて解釈し、上っ面を自分らに都合よく評価したに過ぎないのだ。
ゾンビ・ハイエナのような者共が、カリスマに群がるとき、奴らはカリスマの弱みを敏感に感じ取る。孤独という唯一の弱さをだ。
奴らはカリスマと関わるとき、様々な無意識の駆け引きを行う。「(俺らに)認められるためには~~」「(俺らが)評価してるのは~~だ」「~~なところはすごいですね!」
言葉・態度の至る所に、次元を落とさせる言葉をちりばめる。
カリスマはしばしば、自分の状態や考えていることを表現する。みんなにも同じところにきて、それをみてほしいからだ。
しかし、そんなもの、そもそも奴らは眼中にない。真実は決して認めず、カリスアがいくら語ろうが見向きもしない。それはもうゾンビのように不死身でしたたかである。彼らはただただ、カリスマの孤独に付け込み、反応を操作して、少しでもエネルギーを奪い取りたくて必死なのだ。
その真実と表面のギャップこそが、彼を凋落させるわけだ。
悪魔が彼にささやく。「もう十分頑張ったじゃねえか。」「もう認められていい頃だよ。」「派手に遊ぼうぜ。」「孤独はもう味わなくていいからよ」「ほら人気も金も入ってきてるだろ?それが証明じゃねえか」「あとは周りがいうとおり期待に応えてれば安泰だよ」「これからはたんまり稼いで楽に生きようぜ」
彼はその言葉にそそのかされ、真実を見失う。あまりに厳しい真実(世俗の結果や評価など、ほとんど何の意味もない)を彼自身も直視できなくなっていく。
こうやって彼の内的なモチベーションは世俗のものに置き換わっていく。内面の輝きの貯蓄が減っていくと、不安が彼をさいなむ。いつまでも続かないんじゃないか。だったら金を稼いでおこう。知名度があれば何があっても食いつなげる。コネクションもたくさん作っておこう。
発想が徐々に、世俗的な保証の考えに流れていく。そしてついに内面の源泉は枯れ、ただの有名人になり果てる。
彼はどうすればよかったのだろう?
なんらかの拍子に人気が出だした時、カリスマである彼の真価は問われる。
人気が出たからといって本当に認められたわけではないこと
95%の世俗的評価など、上っ面のもてあそびに過ぎないこと
次元の低い人間による評価・賞賛・引用・要望・その他いかなるかかわり方であり、彼らに都合のよい解釈にすぎず、真に起こっていることは、彼らが次元の高いところからエネルギーを下げさせたとき、そこに発生するエネルギー奪う行為にすぎないということ。
それらに付き合うと、金・人気等と引き換えに、エネルギーの次元の低下や、奪い取られて枯渇することに繋がるということ
つまり、金・人気・その他の世俗物は、次元の高いエネルギー売り渡して得られるものだと気づくこと。
それでもしっかり内面を保って活動すれば、数%は誰かに伝わっていること
内面を保つことが何より大事
そういった真に起こっていることを見失わなければ、彼の輝きはゾンビのような者共に流出せずに済む。