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マイペースからユアペースで世界を広げる

マイペースでゆっくりと

「マイペース」とは、自分のペースで動くことです。

やる気を大切にし、活動を広げていく取組のはじめの段階では大切なことです。

例えば、自転車の練習。
少し乗れるようになっても、初めは曲がるのも怖いですよね。
そんな時は、慣れるためにゆっくりと「マイペース」で、進みます。

ユアペースで広がる

そして、次の段階が、「ユアペース」です。

いっしょにいる人=YOU が示す選択肢を理解し、見通しをもって選び取る力と言えます。

乗れるようになった自転車で、お父さんやお母さんといっしょに「スーパーまで行ってみようか?」「行ってみよう!」ということです。

怖いから行かない、とか、途中の公園で遊びたーい、と止まってしまえば、その先まで進めません。

「ほら、もう少しだからがんばって!」と、相手のペースに合わせることで、世界を広げることができます。

ユアペースに合わせられれば、社会のさまざまなイベントにアクセスできるようになります。

そこで、学校、授業の限られた時間の中では、最大限のユアペースを引きだす働きかけを行います。

マイペースとユアペース

しかし、子どものマイペースと相手のユアペースのどちらを大切にすればよいか、迷うこともあるでしょう。

その場合は、マイペースにやりたい活動や遊んでいたいおもちゃが、子どもの一日の中でどのくらいの割合を占めるか、と考えるとよいでしょう。

例えば、好きなお菓子は、家に帰れば好きなだけ選べるでしょう。
しかし、45分間の授業で行う買い物学習では、ねらいに応じた物を選ぶ必要があります。

何ために買い物するのか、いくらの金額を学習させたいのか、どんな力を育てるのか。
指導者はしっかりとねらいを持つことで、子どもの世界を広げることができます。

1日は24時間しかありません。
そのうち、学校で学ぶ時間は、多くても6時間。
1日の1/4です。

限られた時間の中で、最大限の能力を伸ばすことが、教育には求められています。
常に優先順位を判断し、効果的、効率的な内容と方法を選択し続ける必要があります。

そして、ゼアペースへ

実は、ユアペースの先の、「ゼアペース」があります。

目の前にいない人たちとの「あんなこと」を思い描いて、そこに向かっていくことです。

自転車で、日本一周!
「知らない景色、遠くの街を見てみたい。」
というのは、誰かに言われていくのではありません。

知らない誰かが挑戦したことに、
自分も「やってみよう!」「できるんじゃないか」と気づくことです。

自分のためのマイペースではなく、人に合わせるユアペースでもない。
遠くにいる誰かを目標にすることです。

マイペースからユアペース、そしてゼアペースへ

しかし、その目標を達成するためには、まずはいろいろなことを知り、一つでも多くできることを増やすことが必要です。

子どもの知らない世界を広げ、社会で充実した生活を送るために、学校では、まずユアペースに合わせることが大切です。

ユアペースで新しい知識、技能を身につけると、ゼアペースが見えてきます。

そのためにも、ユアペースで選ぶと「楽しいね」「うれしいね」を実感できる題材や活動を工夫しましょう。

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