発達をプロセスでとらえると、支援の手立てが見えてくる
発達のプロセス
発達は、
「未分化→分化→統合」
のプロセスでとらえられます。
「未分化」
「未分化」とは、分かれていない状態のことです。
分かれていない状態では、
右手と左手を別々に動かして
物を扱うことができません。
ネコも馬も
「ワンワン」と呼びます。
一つひとつのことが
分けて操作や理解ができていない状態です。
「わかる」とは「分ける」ことです。
つまり、まだ「分からない」状態が
「未分化」です。
「分化」
「分化」とは、
分かれていなかったことが
分けられることです。
左右の手が分化すると、
右手で、歯ブラシを持ち、歯を磨きながら
左手で、水の入ったコップを持つことができます。
右手で歯をシャカシャカ磨いているときに、
左手もパタパタ動いている子どもを
見たことはありませんか?
それは、「未分化」の状態です。
「分化」すると、
左手で歯磨き粉のチューブを持ち
右手の歯ブラシに上手に出すことができるようになります。
「統合」
そして「統合」とは、
分化していることを
目的に応じて組み合わせて使えることです。
例えば、
積み木は、□△◯の形と
赤青黄色の色があります。
一つひとつバラバラのパーツ
として見ているのが「未分化」。
これらを、
形だけ、色だけで集められるのが「分化」。
そして、それぞれの形を組み合わせて
「家」や「お城」を作るのが「統合」です。
認知発達のプロセス
認知の発達では、
次のようなプロセスで発達が進むと考えられます。
物の見方が混沌としている「未分化」の状態から、
ものを仲間分けをしたり、名前があることがわかったりと、
「分化」することで、世界の見方を整理します。
そして、分化したことを目的に応じて、
未知のものごとを認識したり、
新しいことを生み出したり、
「統合」することができます。
運動発達のプロセス
また、運動面の発達を見ると、
乳児の動きは手足の動きにぎこちなさ、
つまり「未分化」の状態があります。
やがて少しずつ右や左を別々に動かしたり、
細かい動きができるようになったりと、
動きの「分化」が進みます。
そして、目的に応じて
最大のパフォーマンスを発揮できるように
動きを「統合」することができるようになります。
このように、子どもの発達を
「未分化→分化→統合」のプロセスで、
今どの段階にいるのかを見ることで、
適切な課題を設定し、
有効な支援の手立てを用意することができます。