教師の心得 第1条 知的障害だからこそ丁寧に知的な面の発達を促す
「知的障害だから考えることは難しい」
と、思っていませんか?
「できるようになるまで繰り返すこと」
が、指導だと信じていませんか?
どちらも、もちろん勘違いです。
知的障害教育の忘れがちな、
しかし大切な教師の心得が、
この第一条です。
「知的障害だからこそ丁寧に知的な面の発達を促す」
知的発達とは、
どんなことでしょうか。
学校で伸ばしたい知的発達は、
ものごとの意味づけ
言葉の理解・表現
概念形成
です。
これらの内容は、別の機会に説明しましょう。
「知的障害だからこそ、丁寧に知的な面の発達を促す」
という心得のポイントは、2つあります。
① 発達の道すじは同じ
1つ目は、発達の道すじは、
障害のあるなしに関わらず同じ、
ということです。
あたまとからだ、そしてこころが育つには、
段階があります。
しかし、子どもによって、凸凹があったり、
飛び越えてしまったりすることがあります。
そのため、的確なアセスメントと適切な課題設定が大切です。
アセスメントとは、子どもの見方です。
単に、子どものエピソードではありません。
そのエピソードの背景にある発達を
適切に評価しなければなりません。
評価するためには、
発達の道すじを知らなければなりません。
その道すじは、発達心理学で
明らかにされています。
よく「一人ひとりちがう」と言われます。
一人ひとり違うのは、道すじではなく、
その進み具合や、発達の状態です。
道すじまで違う、
と勘違いしてはいけません。
発達心理学は道すじを示す
共通の地図です。
② 障害があっても発達する
2つ目は、知的障害であっても発達する、
ということを信じることです。
知的障害の子どもは、
動きをすぐに覚えられないことや
難しい事柄の理解が難しいことがあります。
しかし、適切なタイミングで
適切な手立てがあれば、
確実に発達していくことができます。
ただ、なかなか発達が見られないように
見えることがあります。
「プラトー(平原)」と呼ばれる
“停滞”の時期があるからです。
停滞を突破するためには、
知的な障害のための遅れや弱さを明確にし、
適切な課題と有効な支援の手立てを
用意する必要があります。
「知的発達を促す」
これが、知的障害教育の教師の心得第1条です。
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