あたまを育てるとワクワクする
「あたまを育てる」とは
「あたまを育てる」とは、
「考えること」を育てることです。
ふだん私たちは、
考えている、とは意識せずに生活しています。
でも、例えば、食事の時、
「はじめにみそ汁を飲んでから、
次にご飯を食べよう。
次は卵焼きがおいしいそうだから、
一口食べて…。
焼き魚は骨があるとやだなー…」
と、絶えず考えているはずです。
そう考えると…、
「考えること」は楽しいことですね。
授業では、
そんな「考えること」の基礎・基本の力を
たくさん育てていきましょう。
「考えること」の基礎・基本
「考えること」の基礎・基本の力は、
例えば、
上下左右、前後などの空間関係、
昨日・今日・明日、早いー遅い、8時などの時間、
順序や並べ方などの規則性、
次に何が起こるかを推測すること…
などです。
こうしたことが、土台となって、
自分の身の回りのことだけではなく、
目の前にない物事のことも考えられるようになります。
授業の目的は「概念形成」
では、授業では、
具体的にどんなことを
基礎・基本として学習するのでしょうか。
歴史や地理、理科や英語など
「知識」の暗記だと思っていませんか?
授業、つまり教科の目的は、
「概念形成」です。
「知識」ではありません。
算数・数学や国語、理科、社会、体育や美術など、
すべての教科は、
それぞれのまとまり、つまり概念をもっています。
例えば、
算数・数学では、
当然「数概念」「量の概念」を学んでいます。
国語では
助詞や接続詞は「関係の概念」を表現しています。
もちろん、教科書に載っている文章は、
全てその内容に概念が含まれています。
社会科は
経済や歴史など
目に見えない社会的な事象の概念を扱っています。
体育も、
体を通して、動きを通して、
概念を獲得しています。
教科で扱う題材を通して、
概念を獲得し、
考える力を育てます。
あたまの育て方
概念形成のためには、
認知発達や言語の獲得が必要です
認知とは、
物事の意味づけであり、
言語とは、
それを記号にしたものです。
認知や言語の発達は、
授業だけではなく、
生活の全ての場面、活動を通して行います。
ものの名前や動きの言葉、
見比べて同じと違うがわかること、
色や形、数と量のとらえ方など
を指導します。
考えること、あたまを育てることは、
机の前に座っているだけではできません。
身体全体、手足、指先を使うことで、
頭の中がグルグルと働き始めます。
日々行なっている活動も、
言わなくてもできているなら
考えているからできていいるのだろう、
ではありません。
どんなふうに頭を使って考えているだろう、
と指導者が考え、
言葉に置き換えて確認することが大切です。
「わかった!」
というのは
言葉になったときです。
授業は、
「わかった!」
「やってみたい!』
「できた!」
をたくさん積み重ねる時間です。
どうすれば頭を使って考えるだろう、
とワクワクしながら
授業をデザインしましょう。