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「子どもがいないこと」と仕事について

この記事を開いていただき、ありがとうございます。

先の2本の記事で、子どもが欲しくないこと、結婚と子どもは別問題であるはずだと思うことを書いてみました。

ここでは、子どものいない夫婦と仕事について感じることを書いてみます。

以前にパート勤務をしていて退職した勤め先でのことです。
繁忙期の土日、人手不足なので誰か出られる人はいませんか?となった時、一人のパートさんが出てくれることになりました。
その方は「私は子どもがいないから出るよ。そういうのは子どものいない人がやればいいんだから」と言いました。

この言葉は、繁忙期や土日になかなか出勤できない人々に気まずく思わせない為の気配りだったと思いますが、同じく子どもがいない私はモヤっとしてしまいました。
「子どものいない人が、当たり前のように子どものいる人の分まで負担しなくてはならないのか?」

子どもがいない人が、子どもがいる人の分も負担を負えばいい。
子どものいる人は既に大きな負担を負っているのだから。
これは、とても自然な考え方で、且つ親切に聞こえます。
しかしながら、それぞれに異なる個人の事情を無視していないでしょうか。

ちょうど最近、友人の職場ではベビーラッシュ。
産休・育休が数人重なってしまったそうです。その業務は残された人々が分担するしかありません。そうは言っても、人手不足。ここに限らず、慢性的に人手不足な職場は沢山あるでしょう。
かと言って妊娠のような個人的なスケジュールを職場に相談し共有するのは、ちょっと勇気が要りそうです。想像するに。
職場には、そういったことも相談しやすい環境が必要なのかもしれません。

夫の職場でのことです。
夫は職場に往復3時間近くかけて毎日通っています。早番と遅番のシフト制です。
後輩の女性社員が最近妊娠したそうなのですが、「妊娠したので早番しかできない」というのです。
しかし失礼ながら、遅番と言っても1時間ずれるだけだし、その人は家も職場から近いし、立ち仕事でもありません。
夫の帰りが遅い日が急増し、直接関係のない私の生活リズムにも影響を与えています。
これに関しては、本人なりの理由から早番だけを希望するという気持ちはわかったとしても、せめて今後のシフトについて、夫に対して上長や本人から相談があるべきではないでしょうか。

これはむしろ「逆マタニティ・ハラスメント」ではないでしょうか。
相談や話し合いがあったわけでなく、相手の都合を問わずに自分の都合を押し付けるのは、パワハラやモラハラではないのでしょうか?

言われるがままになってしまう上長にも。
何かとマタニティ・ハラスメント、女性の権利と言われてしまうご時世ですが、だからと言って「妊娠してるから」と筋が通らないこともOKしてしまうのは。
他にも守るべき従業員がいます。大切な仲間のはずです。

「子どもがいないならどうしてフルタイムで働かないの? まだ若いのに」
これもしょっちゅう言われます。
私は体力気力があまりある方ではありません。そしてそれは個体差でしかありません。
「他の人はやってるんだから」なんて、それはその人にはできるというだけであって、私には当てはまりません。
私は私の心身と相談して、フルタイムではない方を選んだだけ。具合が悪くなれば周りにも迷惑をかけるし、選択肢があるのだから選ばせていただく。生活を共にする夫と互いに合意して決めた働き方です。

子どもがいないからと言って、働き方に制限はありません。
同じように、結婚してるとかしてないとか、扶養内だとかそうじゃないとか、正社員だとか非正規だとか、そういったことも本人の都合で自由に選んでよいものです。

今まで女性や妊婦さんやお母さん方が受けてきた理不尽を、ここに来て是正しようとしている、それは本当に必要だし素晴らしいこと。
でも逆方向に振り切って過剰に反応するのは、また別な問題を作り出すことに繋がりかねないのではないでしょうか。

「どうせあなたは妊娠したことが無いからわからない」。
「子どもがいない人にはわからない」。
そんな横暴な言葉で片付く問題ではないと思っています。

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