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ホットなはずのアイスココア

こんにちは。
日本や南欧で暑い日が続く中、ドイツは7月後半~8月半ばまで、時に夜中の気温が一桁に落ち込むほど異様に涼しい日が続いていました。それもようやく終わり、また今週末からは30度を超える暑い日が戻ってくるようです。

さて、暑い日や寒い日、という話をしていて思い出した一つの話があるので、今日はそのことについて書こうと思います。

イタリア人やフランス人、スペイン人など、ラテン系の言語を話す人たちは「H」の発音が苦手である、というのは有名な話です。

ドイツ語では「H」をしっかりと発音するので、これらの人たちが弱く「H」を発音すると、聞き取ってもらえないことがあります。

ドイツの別の町に住むイタリア人の友人から聞いた話ですが、

寒い冬の日のこと、「ホットココア(ハイセ・ショコラーデ)」を注文したら、冷えたココアにバニラアイスクリームの載った「アイスココア(アイス・ショコラーデ)」が出てきてしまったとか。

冬に絶対売れないようなアイスココアを出している奇特なカフェがその町にあること自体にもビックリだったのですが、

確かに「ハイセ・ショコラーデ(Heiße Schokolade)」と
「アイス・ショコラーデ(Eisschokolade)」は、発音面では、語頭に「H」があるかないかくらいの違いしかありません。

これを聞いた僕は、ステレオタイプのジョークみたいだなと、話半分にそのエピソードを楽しんで聴いていました。

ただ、ミュンヘンのあるカフェに行ったときです。
「ハイセショコラーデ」を頼んだところ、店員さんが「分かりました、アイスショコラーデですね」と言って立ち去っていったのです。

聴き間違いかな? と思ったのですが、店員さんは確かに「H」を発音していなかったので、立ち上がって店員さんを追いかけ、

「今私、アイスショコラーデ注文しましたか?」と尋ねると、店員さんに「そうですよ」と言われました。

まさか自分も間違えるなんて。
いや、これは単に自分の活舌や声の小ささとかに依るのかもしれませんが。
他人事と思って笑ったりしてはいけないなと感じたエピソードでした。

「寒い」「暑い」の話でもう一つ。

イタリア語をかじって、暑い夏のイタリアへ出かけたドイツ人は、旅先で「冷たい」コーヒーを頼もうとすると失敗することがあるとか。

ドイツ語で「冷たい」は、英語の「cold」にも似た「kalt(カルト)」なのですが、イタリア語で発音の似た「caldo(カルド)」は「熱い」という意味なのです。形が似てるからと言って、意味も似ていると思うと大間違い。

炎天下で湯気の立つコーヒーを飲まされるか、
陰鬱な冬空の下、身体の芯まで冷えそうなアイスココアを出されるか。
皆さんなら、失敗するならどちらが良いでしょうか?

【画像】Terri Cnuddeさま【Pixabay】


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