『デザインの言語化』を読みました。
この本自体はデザイナーと呼ばれる職種の方がメインターゲットであると思いますが、むしろデザイナーと付き合いのあるクライアント側の方にもお目通しいただきたい内容となっています。
ビジュアルを取り扱う職種の方には「クドクド説明せずとも、絵で見せて一発OKをもらえればよい」「このビジュアルの価値が分からないのは、クライアント側が不勉強だからだ」といった価値観がまだ残っているのでは、と感じており、とはいえ納期のこともあるので、クライアント側も不信や不満をかかえつつ仕事を進める場面があるのではないでしょうか。
お互いに良いコミュニケーションを取るべく、「なぜ言語化するのか?(なぜ言語化する必要があるのか?)」「何を言語化するのか?」「どのように言語化するのか?」といったテーマについて、ヒントが得られました。
分量は多くはないので2時間程度で読めますが、時間の無い方は「STEP2.デザインの意図を伝える」「STEP3.クライアントの要望を汲み取る」だけでも読んでおくと良いでしょう。テクニカルな具体例を中心とした、現場のデザイナーでしか書けないような事例や体験談が詰まっています。
また、「デザイン」と「アート」の違いについても触れられており、強く腹落ちしています。デザイナーと呼ばれる方の中にも「自分はアーティストである」と勘違いをされれている方は実は多いのでは、とあらためて感じました。
さらに深堀りしたい方は、『デザインの伝え方(Tom Greever著)』などに進むと良いでしょう。