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鎌倉右大臣が百人一首に残した作品は?

鎌倉右大臣かまくらのうだいじんが百人一首に残した作品は、、、

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆歌枕
☆本歌取り
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
★関連動画
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☆作品

♪ 世の中は
  常にもがもな
  渚こぐ
  あまの小舟の
  綱手かなしも

です。

読みは、

♪ よのなかは
  つねにもがもな
  なぎさこぐ
  あまのおぶねの
  つなでかなしも

となります。

2句切れ。

この歌は、鎌倉右大臣(源実朝)が、鎌倉の海岸にて、
曳船で曳かれてゆく小舟のおだやかな光景を眺めていた時に詠んだ歌だそうです。


☆意味

世の中は    (世の中は)
常にもがもな
  (永遠に変わらないで
      欲しいものだ)
渚こぐ
  (波打ち際を漕いで行く)
あまの小舟の
      (漁師の小舟の)
綱手かなしも
  (曳く綱がしみじみと
       心を打つナァ)


☆本歌取り

この歌は、万葉集と古今和歌集からの本歌取りです。

★万葉集/巻一22番:河の上(へ)の/吹黄刀自
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1983743484&owner_id=37979390

★古今和歌集 第二十巻(東歌 1088首目)
みちのくは(よみ人しらず)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1983743604&owner_id=37979390


☆文法解説

2句「もがもな」
  願望の終助詞「もがも」
   +詠嘆の終助詞「な」

「常に」は、永遠に変わらないという意味で、
「常にもがもな」は、「永遠に変わらないで欲しいものだ」となります。

5句「かなしも」は、悲しいのではなく、漢字で「愛(かな)し」と表記し、
しみじみと心を打つ様子を表します。

「も」詠嘆の終助詞


☆鑑賞

鎌倉右大臣(源実朝)は、鎌倉の海岸にて、
曳船で曳かれてゆく小舟のおだやかな光景を眺めていて

「この平和な日常が永遠に続けばいいのに」

と思ったようです。

兄で2代将軍の源頼家(みなもとのよりいえ)が、北条氏に暗殺されるなど殺伐とした世の中は、
鎌倉右大臣(源実朝)には、悲しく写ったのでしょうね。


☆出典

『新勅撰集』羈旅・525


★関連動画



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