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「川のほとりに立つ者は」が刺さった

人によって異なる微小な心の持ち用の違いから生まれる葛藤や、食い違い、その繊細な心の機微を描く作品が好き。さらにいうと、その食い違いを乗り越えた先に新しい景色を見せてくれる作品が好き。

「川のほとりに立つ者は」(寺地はるな)を読んだ。

この本を読んだ備忘録としてこのノートを書く。

最近小説読んでないなとふらっと立ち寄った書店で発見して、表紙買いした。
そもそも、「毎年本屋大賞ノミネート作品から、対象発表前に一つ選んで読んでその作品を推す」という変な趣味があったので、今回もそんな気持ちで買った。

軽い気持ちで読み始めた結論、「この本めちゃめちゃ好き!!!」

物語は「原田清瀬」という女性目線で話が進み、秘密を隠したまま意識不明の重体となった恋人「松木」の秘密の真相を追い求める形で話が進む。なぜ松木は原田清瀬に真実を話さなかったのか…。

そのほかの登場人物に関しても、些細な感情から行動を実行できないことや、逆に隠した感情が些細な動作に現れる描き方とか、本当に繊細に人のありようを描いていた。

主人公「原田清瀬」目線で物語を読み進め、原田の心の持ち用の変化や成長をリアルに感じられて、読者自身もハッとさせられる、新しい気づきを得られる作品でよかった。

帯のレビューにも書いてあったけど、まさに「繰り返し読みたい!作品」だと思った。

僕は人に本を薦めるとき、一番最初に思い浮かぶのが貫井徳郎の「乱反射」なのだけれど、乱反射を読んだ後と似たような感情をこの作品を読んだ後にも覚えた。

今後はこれも薦めたい!!

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