#33 「酔ってないってばーー!」
1曲歌うたびに、
彼女が、一喜してくれる。
一喜一憂の一喜だけで、意味をなすのか、
使い方があっているのかはわからない。
そもそも通じるかは別にしてほしい。
「ユータの声好き」
ほろ酔い…
いや、白ワインに切り替えた時から、
【本】酔なのではと思ってはいるが、
彼女は仕切りに、
「酔ってないからーだーいじょーーーぶ!」
と仕切りに言っている。
聞いてないのに、言ってくるから、
もう、酔っていることとして諦めている。
それでも、
仕切りに「声好きー」という彼女は、
可愛い。
そして、
歌うことよりも、
いつの間にかというか、
【聴く専門】になってしまった彼女は、
「次は、何歌うの???」
と言う。
俺は、レモンチューハイを飲みながら、
「ブフーッ」と吹いてしまった。
ドリフターズのコントの如く。
ドリフターズは古いか…
ウッチャンの【Life】というコント番組で、出るかのように、吹いてしまった。
「ちょっと待ってー」
と言いつつ、タブレットで検索をかける。
うーん
うーん…
うーん……。
考えること5秒。
これ知ってるかなー
【次曲:Lifetime Respect】
「これもいーよねー」
っと彼女は言う。
「これ俺が、大学1年の時の寮の当番の時に、有線で流れててさ…」
『♫カ、カ、カカカカかカッカン』
イントロが流れてくる。
恵は、
おぼろげにモニターを眺めている。
俺も、モニターを見ている。
俺は、彼女を見る。
恵も、俺を見る。
唇を重ねる。
♫えぇ加減そうな俺でも
しょーもない裏切りとかは嫌いねん
尊敬しあえる相手と共に成長したいねん
一生一緒にいてくれや
見てくれや才能も全部含めて
愛を持って俺を見てくれや
今の俺にとっちゃお前が全て
大学時代、レゲェが流行り出していて、
口の回らない俺は、
【ラップ】が苦手で、
それまでの自分は、
今でこそ、Zebraとかも聴けるようになったが、
当時はアンチものが苦手で、歌詞は音の一部と想って、
かこつけたファッションとしてしか聴けていなかった。
そんな時
未熟で、憧れでしかなかった【愛】や【恋】について、
レゲェに乗せて分かりやすく、
『俺(三木道三氏)の愛』についてを歌っていた。
三木道三がカッコ良かったな。
一番好きなフレーズになって、
気持ちを込めた。
♫お前がもしも ボケた時も
俺が最後まで介護するで心配ないぞ
限りある人生にいっぱい
楽しい時間をお前と生きたい
一緒に料理したり
映画観たり
あのあるSEXに精ぇ出したり…
何があるかこの先わからんへん
けど お前を絶対話さへん マジで
(song words by Dozan Miki)
歌っている俺の横に恵はいる
曲は続く中、
俺は、恵を見ている。
それに気づいて恵は俺を見る。
そして、グラスに手を伸ばす。
飲む
飲む
飲む…
酔わずにはいられないんだろーなーっと察する。
「なんかあったの?」
「う、う、うぅーーーーー」
『?』
『どしたどしたどしたーーーー!』
「どうもしないし!酔ってないってば!!!!」
『おいおい…完全なる酔っ払いリミッターが外れてるぞ(汗)』
To be next story…
(あとがき)
今回も我が青春の名曲
三木道三氏【Lifetime Respect】
最近手抜きと言われてしまうかもしれませんが、
この曲たちは、
ひびきます。
心に。
もっと描写をうまく描けるように
頑張りますので、
引き続きよろしくお願いいたします。
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