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四国は始国。古代、栄えたアワ(阿波)王国はどこに消えた? ~武力に頼らない国造りを行った縄文人?~

少し前に飛騨の位山に行きました。位山は飛騨一之宮水無神社の奥宮であり御神体。そして紀元前からの霊山で、巨石群やストーンサークルがあります。皇室との縁も深く、奈良時代より、代々、新しい天皇が即位する際は、位山のイチイの木から彫られた杓子を贈られるならわしがあります。ですがこの位山、古代はアワ山と呼ばれていました。位山という名前になったのは奈良時代から。
アワという地名は縄文時代に実在した、四国のアワ王国と関係があるかも?と思い、調べてみました。古代、始国と呼ばれた四国。なかでも阿波王国のあった徳島県は、戦後、日本に駐留したアメリカ軍が剣山周辺をくまなく調査したことでも有名です。

阿波王国は、古代、千葉にも王国をつくったことでも知られています。そこで、アワという名前のつく地名を探してみました。すると、数えきれないくらい全国にありました。代表的なものだけ、挙げてみますね。


〈アワという名前のつく地名〉

・徳島県の阿波市(あわし)
・千葉県の安房(あわ)
・沖縄の粟国島(あわくにしま)


地名により、アワの漢字は異なりますが、アワという名前のルーツはだいたい同じようです。そして、アワという名前のルーツの理由は大きくわけて二つあります。

まず一つ目は、食べ物のアワ(粟)から来ているという説
古代、アワはとても大切な食物でした。アワ・ひえ、芋などが縄文人の主食とされ、今の私たちが思うほど、古代の人たちは肉、魚などの狩猟生活ではなかったようです。もちろん地域によると思いますが。
以前、新潟の十日市博物館を訪れましたが、この博物館は「縄文を世界に」をモットーに、いろんな縄文展を開いています。こちらの常設展では、「古代の縄文人の食生活は、芋・どんぐり・雑穀などが主食だった」と紹介していました。
そのため、アワという大切な食べ物がいっぱい取れる地域では、その「アワ」がそのまま地名の由来になることもあったそうです。

二つ目の理由ですが、これは古代、四国に実在したアワ王国から来ているという説。実際に千葉一之宮安房神社の由来によると、古代、四国の阿波王国の人たちが、武力に頼らず、千葉の地を開拓し、安房(アワ)王国をつくったと言われています。

話は変わりますが、以前、通販で、徳島県でつくられた太布織(たふおり)を購入しました。太布とは、古代布の一つで、かつては全国で織られていた布。あまりに手間がかかるため、つくる人がいなくなり、今は徳島の那賀町のみでつくられています。
こちらで購入したものを送ってもらった際、同封のパンフレットに、「古代、徳島の阿波王国の人たちが、千葉に安房にアワ王国をつくった」と書かれた資料が入っていました。どうも太布は阿波王国と関係があったようです。

ちなみに太布について、こちらのサイトで詳しく書かれています。
綿や麻の栽培する前から、古代の人たちが使っていたい太布。その起源は縄文にさかのぼります。現在つくれる人はわずかです。

https://www.town.tokushima-naka.lg.jp/gyosei/docs/3638.html

さらに下記のサイトでは、四国の阿波から来た人たちが、千葉の安房を開拓した、ということが書かれています。古代の海人族についても書かれており、興味深いです。

https://tokyox.sakura.ne.jp/2005/06/08/post-0-11/

古代、阿波王国のあった徳島県は、日本が第二次世界大戦で敗戦し、GHQによる日本統治の際、アメリカ軍が念入りな調査を行ったことでも有名です。
古代、阿波王国があった徳島県。その徳島の西部には剣山があります。
アメリカ軍は、敗戦後、日本にやってきてすぐ、この剣山を調査しました。彼らは、まるで何かを探すように穴を掘ったり、上空からヘリを飛ばしたり・・。今でも剣山周辺は個人で穴を掘るのが禁止の場所もあるそうです。

剣山周辺でアメリカ軍が何を探していたのか、詳しくはわかっていません。一説にはキリストの墓が剣山にあり、それを探していた、などの説も・・。
ただアメリカ軍が無視できない何かが徳島の剣山にあり、もしかしたらそれは、古代、阿波王国が存在したことと関係があるのかなと思ったりします。

古代、たしかに存在し、そして歴史の中に消えていったアワ王国。
アワ王国がどんなものだったのか? 日本各地に残ったアワという地名から、想像するに、かなり栄えた王国だったのだと思います。
そして武力に頼らない国づくりを行った阿波王国。
縄文という古代のことを知るのは、とてもおもしろく興味深いです。


P.S.

また、沖縄の粟国島でつくられた塩が、数年前の伊勢神宮遷宮の際に、使われたそうです。アワには不思議な力が宿っているのかもしれません。









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本だけでなく、実際に現地に行ったりして調べていますが、わからないことが多いです。だからこそ魅かれる縄文ミステリー!縄文の謎解きははじまったばかりです。(*ᴗˬᴗ)⁾⁾💕ペコリン