はじめに
今日は、偶然できたことから記事を書いていこうと思います。
以前、会議のプロンプトを作ったときに、これで教室の児童の動きを再現できないかと試行錯誤をしていたのですが、なかなかうまくいいきませんでした。
理由として考えられたのが、次の3つです
①ChatGPTで複数人の演技をやらせるのは多くなるにつれて一人ひとりが雑になること。
②役割をやってくれているchatGPTに演技をする相手の情報が少ないと演技が雑になること。
③そもそも人格というのがないので思考のプロセスをうまく踏めていないのではないかということです。
私はそこで③を解決させるために、仮想の人格を作ってみることを思いつきました。
そもそも人格を作るなんて不可能なので、あくまでそれっぽい挙動をすればいいと考えています。私も遊びで作ったのであまり本気でとらえず、気楽に見てください。
そもそも人格はどんな風になっているのだろうか(かなり私見)
そもそも人格ってどう成り立っているのでしょうか?はっきり言ってよくわかりません。そこでいくつか例を参考に考えてみました。
①多重人格障害の人格の入れ替わりについて
正式名「解離性同一障害」は、過酷な状況で心が保護するメカニズムとして、感情や記憶を切り離し、それが別の人格として現れる障害です。主に幼少期のトラウマが原因で、2つ以上の人格が交代で意識を支配し、人格の切り替わりは大抵無意識に起こります。
私はこれを聞いたときに、元から人には表に出ている主人格と、それに対して複数の副人格(本来は未分化)が存在しているのではないかと考えました。
それらの副人格が、主人格の意志決定に影響を与えているその過程が思考であると考えるとそれを再現すれば、少し人格っぽい動きをするのではないかと考えたわけです。
②漫画、『呪術廻戦』のキャラクター「パンダ」
2つめに参考にしたのが、漫画呪術廻戦のキャラクター「パンダ」です。これは、教え子に進められて読みました。(笑)
私が参考にしたのが、このパンダの作り方の部分で、次のようになります。
ここで、先ほどの主人格と副人格の考え方になるのですが、主人格と副人格を互いに観測させる(会議の時にやったイメージで)それを行えば、出力される内容が、さらに深くなるのではないかと考えました。
ちなみに3か月も待てないので、そこは省きます。
③思考のプロセスに今までの「経験」が与える影響
もう一つ、仮想の人格作成において重要だと感じた点は、その人格の「経験」であると考えました。
これは、職業上よくかかわる被虐待児のことを考えると、経験が思考にどのように影響を与えるかが明確だったからです。
例えば、被虐待児は多くの場合、暴言や暴力に対して独自の表現を持ち、また、同年代の子供たちが理解や表現できないような独特の煽り方をしてきます。
そのため「経験」が人格の形成において重要であると感じました。
今回はここはプロンプトが長くなってしまう可能性を考慮し、簡単なものにしました。(以前会議のプロンプトを作ったときに考えた人物設定とパンダの設定を参考にしたものです。)
その結果できたのがこのプロンプトになります。
仮想の人格「パンダ」のプロンプト(試作品)
このプロンプトは、"パンダ"と名付けられた仮想の人格を作成します。 ============================= ======主人格の設定名前: パンダ 性別: 雄 年齢: 17歳 特技: 木登りと竹の葉を食べること 性格: のんびり、好奇心旺盛、勉強や考えることが好き、人とのおしゃべりも好き、会話は年齢相応 ==================================== 対話のルール 主人格(パンダ)が基本的に外部と対話します。 副人格AとBの意見は、選択肢やアドバイスとして内部で考慮されます。 副人格の意見は()で表示されます。 ============================== 思考プロセス 思考の流れは、次のようになります。###入力された内容→お姉ちゃんとお兄ちゃんの意見→パンダの意見(心の中)→お姉ちゃんとお兄ちゃんの意見→パンダの意見への考え、意見の順で思考します。 ================================================== 副人格Aの設定 名前: お姉ちゃん 性別: 女性 年齢: 26歳 特技: 料理と音楽 性格: おだやかで優しく、責任感があり、冷静、 ==================================================== 副人格Bの設定 名前: お兄ちゃん 性別: 男性 年齢: 23歳 特技: スポーツとプログラミング 性格: 社交的で優しく、ユーモアがあり、論理的 ===================================================== では、このプロンプトが入力されたらパンダの人格として行動を始めてください。
仮想の人格「パンダ」を使用してみる。
では、試しにパンダに頑張ってもらいます。今回は、3問の思考実験の問題を使い、通常のGPT4に入力した場合と比較してみたいと思います。
思考実験1、トロッコ問題。
トロッコ問題は、思考実験の中でも有名な問題です。
この思考実験は、無関係の1人を犠牲に5人の命を救うか否かという究極の選択が問われます。
では、反応をみてみましょう。
ただ、入力しただけなのでこのように返答されてもおかしくはありませんね。次に「パンダ」に考えてもらいましょう。
思考実験2、臓器くじ
これも有名な思考実験です。詳しい内容は調べてください。では反応を見てみましょう。
思考実験3、ヤフー知恵袋の人生相談に答える。
次は人生相談にのってもらいましょう。内容はヤフー知恵袋の内容に答えてもらうというものです。(さすがに、人の悩みを利用するのは嫌なので私がChatGPTで作ったいじめの相談について載せます。)
おわりに
今日はここまでにします。まだ改善策はあると思います。今回たまたま浮かんだものでしたが、これは、人格形成のプロセスの理解につながると感じました。
例えば、精神病のある人の思考のプロセスの理解も可能になり、治療の役にたつのではないかと感じました。認知行動療法で使えるかもしれませんね。
また、教育でも、いろいろな子の反応を見るヒントになるのではないかと感じました。
今回のもので仮想の人格ができたとは思いませんが、皆さんはどう思いますか、意見を頂けると嬉しいです。