見出し画像

ChatGPTを利用して、個別の支援計画を作成してみた。

はじめに


今日は学校の先生向けのGPTsを紹介していきます。ただ今回は実際に使用した使用例も追加して、個別の支援計画を作成するまでをやってみようかと思います。


紹介するGPTsたち

今回紹介するGPTsは前回紹介したものも含みます。「個別の支援計画」を作成するのを助けてくれるGPTs達です。

「個別の支援計画つくーる」たちです。ではどのように使っていくのかを紹介していきます。

「1号 アセスメントを使ってみる」

まず、1号を使ってみようと思います。1号の主な役割は、学級の中にいる支援が必要な子の「得意とすること(強み)」と「苦手とするところ(弱み)」を把握することです。

近頃合理的配慮といって、漢字が苦手だからやらせないとか計算が遅いから簡単な九九を6年生でやるとかという謎の配慮が増えてしまっています。私は非常に残念に思います。なぜなら、その配慮の影響で伸びるはずの力が伸びずにそのままになってしまっている可能性が高いからです。このGPTsはそんなことを防ぐために作りだされています。では早速使ってみましょう。

1号 レーダーチャートを作成する。

1号は28個の質問を利用して児童の特性がわかるレーダーチャートを作成してくれます。では試しにダミーデータをもとにしてレーダーチャートを作ってみます。で、つくってもらったのはこちらです。

このように、レーダーチャートを作成してくれます。このGPTsのさらにいいところは、分析も行ってくれるところです。では依頼してみましょう。するとこのようにかえってきました。

レーダーチャートの分析を行います。これは、児童・生徒の28の質問に対する評価を視覚化したものです。各軸が異なる質問に対応しており、数値は1から5の範囲で、5が最も高いスコアです。

### 全体の傾向
- **高得点の領域**:
- 5点がついている質問は「質問4(個別の指示に従う)」「質問10(学年レベルの四則計算ができる)」「質問22(授業中に座っていられる)」です。これは、児童が個別の指示に従う力や、計算能力、座って学習する能力に強みを持っていることを示しています。

- **低得点の領域**:
- 2点がついている質問は「質問3(思いを相手に伝える)」「質問8(文字の大きさを整えて書く)」などです。これらは、コミュニケーションスキルや書字の整え方に課題があることを示しています。

### 強み
- **指示の理解と従順性**:個別の指示や学年相応の学習内容に対する理解度が高いです。これは、学習活動において、個別の支援が十分に効果を上げていることを示唆しています。
- **数学的思考**:四則計算に問題がなく、これに関連する推論や計算の分野での強みが見られます。

### 課題
- **書字能力**:文字の大きさを整えることに苦労しているようです。視覚的な支援や補助が必要かもしれません。
- **コミュニケーション**:思いを相手に伝えることに苦労している部分があり、特に言語表現や言葉以外のコミュニケーション手段の強化が必要かもしれません。

### 提案
- **書字の支援**:文字を書く際のバランスや手先の動きに対して、視覚的な指導や補助具の導入が有効でしょう。
- **コミュニケーションスキルの向上**:言語的なやり取りだけでなく、非言語的な手法(ジェスチャーや表情)も取り入れて、コミュニケーション全体のスキルを育てることが課題です。

このような強みと課題を踏まえ、次のステップとして具体的な支援計画を立てることで、児童・生徒が持つポテンシャルをさらに引き出せるでしょう。

何か質問があればお知らせください!

今回はダミーデータなためこれ以上は聞けませんが、ASD、ADHDなどの情報を与えるとそれも考慮した。接し方のアドバイスを出力してくれます。

「2号 知能テスト分析」を使ってみる。

次は2号知能テスト分析を利用してみたいと思います。このGPTsは、WISC-Ⅳなどの知能テストの結果を分析しアドバイスを行ってくれます。では、さっそく使ってみましょう。

### ダミーデータ
- **年齢**: 10歳
- **性別**: 男児
- **FSIQ(全検査IQ)**: 95
- **VCI(言語理解指標)**: 100
- **PRI(知覚推理指標)**: 105
- **WMI(ワーキングメモリー指標)**: 90
- **PSI(処理速度指標)**: 85
- **検査中の様子**:

- 検査の序盤は集中力が高く、指示に従ってスムーズに取り組んでいたが、後半になるとやや注意散漫な様子が見られた。特に時間を要する課題でペースが落ちた。

これを基に分析を行い、フィードバックを生成します。

### 分析結果
- **全体的な知能水準**: FSIQ 95は「平均」範囲内にあります。この児童は全体的に平均的な知能を持っていますが、処理速度にやや課題が見られます。

- **言語理解 (VCI)**: VCIのスコアは100で、平均的な言語理解力を持っており、日常の会話や学習での言語的な理解には特段の困難はありません。言語を使った問題解決は得意な方です。

- **知覚推理 (PRI)**: PRIは105と、平均よりやや高めです。視覚的な問題解決やパズルのような推理課題に対しては、やや強みがあります。分析的思考力が必要な場面では、この強みを活かせます。

- **ワーキングメモリー (WMI)**: WMIが90で、やや平均より低めです。短期的に情報を保持して操作する課題では負担がかかりやすく、特に複雑な指示を記憶しながら実行する場面ではサポートが必要です。

- **処理速度 (PSI)**: PSIが85で、やや低めです。時間内に課題を終わらせることに課題がある可能性があります。特に、テストや宿題で時間制限がある場合には、焦りが出やすくなります。

### 支援の提案
- **言語理解に関して**: 言語理解に特段の弱みは見られないため、語彙力や言葉を使った課題を中心に強みを伸ばしていくのが良いでしょう。さらに、日常生活や授業の中で、言葉を使った説明やディスカッションを増やすことで能力を向上させることが期待できます。

- **ワーキングメモリーのサポート**: ワーキングメモリーの負担を減らすため、長い指示を短く区切って与えたり、メモを取る習慣をつけると効果的です。また、課題をスモールステップで進めることが、理解と遂行を助けます。

- **処理速度の向上**: 処理速度の課題を補うためには、急かさずに十分な時間を与えたり、タスクの数を減らして質を高める工夫が有効です。時間延長を認めるか、タイムトライアル形式の練習を行い、徐々に処理速度を上げていくことも効果的です。

これがブログの例として使える分析結果です。このようなフォーマットでダミーデータを紹介しながら、支援の提案を付け加えると、読者にとって役立つ内容になると思います。

今までなんとなく保管していたデータが利用できることはとても有益であると思います。これもダミーデータのため途中で止まってますが、発達障害についての情報などと合わせると具体的な指導の仕方やかかわり方を教えてくれます。もちろん説明がわかりにくければ、「もっと簡単にして」でわかりやすくしてくれます。

「3号 自立活動のための目標設定」を使ってみた。

最後に紹介するのは、自立活動のための目標を作成してくれるGPTsです。簡単に言うと、「流れ図を対話形式で作成してくれるGPTs」だと思って下さい。では実際に使ってみましょう。


ここのスタートを押すと始まります。

このGPTschatボット風に質問をしてきてくれるのでそれに回答していきます。今回のダミーデータは以下のようになります。

### ステップ1: 児童・生徒の基本情報

- **年齢**: 8歳
- **性別**: 男児
- **学年**: 小学3年生
- **発達特性**: ADHD (注意欠陥・多動性障害)
- **その他特筆すべき事項**: 健康状態は良好。授業中に集中力が続かず、落ち着きがない様子が見られる。集団での活動には苦手意識があり、個別対応が必要なことが多い。

---

これで、基本情報が揃いましたので、次のステップに進む準備が整いました。

学級でもよくいるADHDのお子さんです。

次に、**6つの区分に基づく実態把握**を行います。それぞれの質問にお答えください。

### 区分1: 健康の保持

**質問**:
「児童・生徒の日常生活において、健康面でサポートしている点や注意している点があれば教えてください。」

**例**:
「例えば、睡眠時間や食事のリズムに問題がある場合、どのようにサポートされていますか?」

ダミーデータに基づくサンプル回答としては、次のようになります。

---

- **健康面のサポート**: 毎日、規則的な睡眠時間を確保するため、就寝前のルーティンを設けている。食事の偏りが見られるため、保護者が栄養バランスを考えた食事を工夫している。

---

こちらの回答に基づいて次のステップに進めます。もし修正や追加があればお知らせください。

上のように6つの区分についてそれぞれ質問をしてきてくれます。今回は割愛しますが、細かく入力すると次の出力がよくなるので有効利用してください。

続いては、6区分の中の細かな内容27項目についてみていきます。今回はコミュニケーションの部分に次のように回答しています。

### 6. コミュニケーション

以下の項目から、該当するものを選んでください(複数選択可)。

1. **コミュニケーションの基礎能力**
- 例: 基本的なコミュニケーションを取ることが難しく、意思疎通に困難がある。

2. **言語の受容と表出**
- 例: 相手の話を理解したり、自分の意見を言葉で表現することが難しい。

3. **言語の形成と活用**
- 例: 言葉や概念を使って効果的に表現することが難しい。

4. **コミュニケーションの代替手段の使用**
- 例: 言葉でのコミュニケーションが難しい場合、代替手段(ジェスチャーや絵カードなど)を使用する。

5. **社会的なコミュニケーションスキル**
- 例: グループでのやり取りや適切な会話のルールに従うことが難しい。

---

ダミーデータに基づくサンプル回答としては、次のようになります。

- **選択項目**: 2. 言語の受容と表出、5. 社会的なコミュニケーションスキル

- **コメント**: 相手の話を理解するのに時間がかかり、言葉で自分の意見を伝えることが難しい。また、グループでのやり取りや会話のルールを守るのに困難を感じることが多い。

---

これで、27の詳細な内容に基づく実態把握が完了しました。次に、これまでの情報を基に年間目標と短期目標を設定するステップに進みますが、提案を希望されますか?

とこのような形で入力できるようになっています。これは、エクセルファイルの流れ図だといちいち色を付けて、丸を付けてとやっている箇所なので省略できることはとても良いことだと思います。では次に進みます。今度は目標の設定です。

次に進みます。

### ステップ5: 目標の設定

これまでの実態把握に基づいて、児童・生徒の課題を基に年間目標と短期目標を設定します。目標は具体的で、実現可能なものにする必要があります。ダミーデータを基に、年間目標と短期目標の例を提案します。

---

**年間目標 (長期目標)**

1. **基本的な生活リズムを整え、規則正しい生活習慣を身につける。**
- 夜の就寝時間を守り、朝は決まった時間に起きる習慣を形成する。

2. **他者とのコミュニケーションスキルを向上させ、集団活動に積極的に参加できるようになる。**
- グループ活動中に少なくとも1回は自分から発言をする機会を設ける。

3. **授業中の集中力を持続させ、長時間の座位を保てるようになる。**
- 授業の最後まで座って作業に取り組む。

---

**短期目標**

1. **生活リズムの改善**
- 1か月間、保護者と一緒に毎晩9時には寝る準備を始め、朝は7時に起床する。

2. **コミュニケーションの向上**
- 毎日、クラスメートに挨拶をする練習を行い、1週間に1回、教室内で自分から質問や発言を行う。

3. **授業中の集中力の改善**
- 授業の前半30分間、座位を保ち、先生の指示に従って作業を進める。


---

この目標に沿って、年間を通じてサポートを行い、児童・生徒がより自立して学習や生活に取り組めるようにしていきます。目標の内容について、修正や追加があればお知らせください。

 ちょっと首をかしげたくなる部分もありますが、まあダミーデータなのでご理解ください。

と、このように目標を出力してくれます。これはダミーデータなのでこの後の「手立て」の部分は表示されませんでしたが、かなり有効であると感じています。このGPTsは少しずつ改良しながら進化させていきます。

最後に

本日はここまでとさせていただきます。今回感じたことは、AIを取り入れるべきなのは学校の「時間をかけてコツコツやらなければいけない」場面ではないかと感じました。もちろん一つ一つ丁寧に行えば良いのですが、30人に対してこれをやっていくと考えると時間は足りません。

しかし、AIを利用すれば対話形式で進められるので、より効率的に進むと思います。この考え方が広まり、AIが教育に取り入れられるようになれば良いのですが、まだ時間がかかりそうです。本日はこれで失礼いたします。ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?