【詩】例えば懐かしいという感情は

例えば懐かしいという感情は
いかに想起するのだろうか？

忙しい日々にあって私は私で
毎日ベストを尽くす。余暇を愉しまんとす
プロ野球での会話で
今日も負けた
明日も負けるだろう
おやすみ、と言いながら
親友との電話を切る

途端、睡魔が私を襲って
楽園へと連れ出していく
夢は時系列がないから
謹むということがない
懐かしいあの場所
現実にはもう訪れないだろうあの家を
私は度々訪れる
笑っている。ふたりはともに笑っている
しかし…

苦しい
彼女の笑顔に遭うことが苦しい
いかなる検閲を潜り抜けてきたのだろうか？
懐かしさは私にとって悪である
ノーベンヴァーレイン
花嫁の葬礼に参加する
アクセルローズのようにアスピリンが必要だ

私はすぐにベッドから飛び起き
襲われた映像を打ち消さんとす
直ちにキッチンへと向かう
水を飲む
間欠的に現れた私の太陽は緩慢に去り
午前２時の静寂が私を護ってくれる
月が代わりにぽつんと浮かんでいた
戦いは忘却にあり、
夢に彼女の稜線ばかり残るのだから
もうそっとしておいてくれ

ー習慣レポートがありますー
画面を見ている時間は先週から29%減りました
（1日平均1時間7分）
ー知り合いかもしれませんー
A .Mさん
フェイスブックのアルゴリズムを憎む