映画『夜明けのすべて』を観た
ネタバレあり
萌音ちゃんがPMSの影響で怒りだす瞬間のスイッチが入ったのが観ていてすごくわかりやすくて、「あ、今から怒るな」っていうのが予想できたのが凄かった。
松村北斗は最初にあからさまに会社の他の人と自分の間に線引きをしていたのが分かりやすかったから、段々と会社に馴染んでいくのが嬉しくなった。挨拶の声も大きくなって作業着も着る様になって、最終的に皆んなに差し入れを入れて、エンディングでは「コンビニ行きますけど何か欲しいものありますか」って聞いていて良かった。
情景としては雨の時に嫌な感じ、晴れの時に良い感じでわかりやすくて良かった。
話の内容で言えば別に二人とも最終的に症状が和らいだ訳でもないし、松村北斗に関しては彼女らしき人は海外に行ってしまうし会社に復帰はしなかったけれど、それでも気持ち的な話でいうと二人ともそれぞれの症状を自分のものとして認められたのかなと思った。特に日曜日に二人で会社でプラネタリウムの話してる時に「言いたい事言って、PMSの症状って言えば良いから便利」「パニック障害も行きたくない誘い断るのに良いじゃん」という会話を何気なく、ギスギスした言葉としてじゃない感じで投げ合ってる会話が凄く好きだった。
あと、どちらかと言えば松村北斗の方がパニック障害に対して正面から向き合っていなかった様な気がするし現実や周りから逃げ出そうとしていた様に思えて、多分周りもそれを望んでいたし松村北斗の気持ちに気がついていただろうからこそ、PMSってどんなものですかって北斗が聞いた時の病院の先生とか、今の会社に残りますって伝えた時の上司とかの嬉しそうな感じが凄く良かった。
あと個人的には序盤の萌音ちゃんの「(他の病気などと比べて)PMSもまだまだだね」というセリフがなんとなく辛かった。
この二人のタッグはやっぱりすごく良かった。何気ない場面が本当に良かったし、いくつかのクスクスと笑ってしまう様なシーンで周りも笑っていた。また、映画として全体的に暖かかくて、この世界が好きだなと思えた。