映画に動物が登場しないことは殆どありません。ここではとりあえず動物イメージが映画の中でどのような役割を担ってきたかを見ることとしましょう。人間もまた動物であることを忘れてはなりま…
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【試訳】ジャン=ピエール・レームによる『いのちの食べかた』(2005) 評(Jean-Pierre Rehm, Cahiers du cinéma, mars 2007, 31-32)
「節度ある消費を」 カメラが十字架を切るのを我々は今までに一度でも目にしたことがあるだろうか。前後に動いた後に横に動くのだから、それは厳格で非常にカトリック的な動きだといってよいのだが、そこには、冷淡な固定ショットを除けば、オーストリア人ニコラウス・ガイルハルターの目つきが反映されている。この動きが天の啓示なのかそれとも悪魔を祓うためなのかは、それぞれが己の胃の強度において判断すればよい。最大限に近代化されたヨーロッパ農家の中で二年の歳月をかけて撮影された『我らが日々の糧