読書感想文「レプリカたちの夜」一条次郎
なんだろう。昔から何度も繰り返されてきた「自我」とは何かという主題をSF的または寓話的にもう一度取り上げてみたものの、なんだか結局何かのレプリカ的な仕上がりになってしまった物語。
という感じの感想だ。
初めてこういった話を読んだのなら、あぁなるほどなぁと思うのかもしれない。
しかし解説に書かれている通り、同様の世界観や主題の作品が思い浮かんでしまい、頭の中でそれらの作品との出来の比較を勝手にしてしまうものだからなんかもうそれは誰かが通った道じゃない?と思ってしまい、純粋に物語に入り込めなかった。
過去の作品群から受けた「自我の不安定さ」「認識とはなにか」という事柄に関する固定概念を覆すものではなく、新しさを感じなかった。
新時代に現れた、安部公房やフィリップ・K・ディックのレプリカとしての作品といったニュアンスで感想らしい感想が思い浮かばない。
2025年新年一発目の感想の量としては、いささか寂しいものがあるが、今回はこのあたりでお仕舞。
次!張り切っていこう
次に読む本→「レプリカたちの夜」→「る」→「る」から始まる題名の本が打ち止めのため、「かか」宇佐美りん を読んでいきます。