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B015_比較『あの人は私より優れてる?劣ってる?』

「私はあの人よりも仕事ができる。」

ついつい比較で人を見てしまう。

そんな自分に気づけたら、
これが自分を苦しめていること(生きづらさ)に気づけたら、
そして、それを止めて自分の中の変化を楽しむことができたら、
対人関係が楽になります。
なぜなら、対抗する必要がなくなるからです。
身に着けた重たい剣と重たい鎧、重たい兜を脱ぐことができ、
「負けない!私の方が優れてる!」という気持ちから解放されるからです。
そうして、残るのが「自分はこんな人です。あなたはどんな人ですか。」という興味と好奇心。明鏡止水。正直さ。純粋性。自己一致です。

という話を書きます。


思いの数々(比較のあれこれ)


「あの人は本当に覚えが悪いなぁ。」
「なんでそんなに偉そうに物が言えるの。あなたは一片の曇りもないの?」
「何にでも食いついてくるけど、自分の仕事はちゃんとやってるの?」
「まだやってなかったの!遅すぎるよ。何してたの!」
「好きなことばっかりやって、やることもやりなさい。」
「あの人の話長すぎるんだよ。しかもいつも同じ話ばっかり。」
「忙しいのに、いちいち聞いてくるんじゃないよ…。」
「そんなことみんな知ってることでしょ。いまさらそんな質問してくる?」
「かしこぶって、なんか嫌な感じ。」
「だまってばっかり。なんなの。何考えてるのか分からないよ。」
「あの人どこ行ったの?またどっか行ったの?どこ行くとも言ってない!?」
「すごいよね。逆にすごいと思うよ。どうしてあんな冷たくいられるのか。」

まぁ・・・無限に出てきますからこの辺で。

これらはみな「比較」の上に成り立っています。
多くの場合は、「自分」との比較です。


思いの数々と自分(自分との比較のあれこれ)


つまり、こんな具合です。

というのも、

「あの人は本当に覚えが悪いなぁ。私に比べて。
「なんでそんなに偉そうに物が言えるの。あなたは一片の曇りもないの?私なんか、あんな偉そうになんかできない。人に偉そうにする前に自分がちゃんとできてないんだから。
「何にでも食いついてくるけど、自分の仕事はちゃんとやってるの?私はちゃんと自分の仕事をしてから、他のことに目を向けるのに。
「まだやってなかったの!遅すぎるよ。何してたの!私だったらもうとっくにそんなの終わらせてるよ!
「好きなことばっかりやって、やることもやりなさい。私なんかちゃんとやることやってから、好きなことしてるのに。
「あの人の話長すぎるんだよ。しかもいつも同じ話ばっかり。私は人前で話すときにあんなふうに長話なんか絶対しない。だって、聴いてる人たちの時間を奪ってるのよ。そんなこと絶対にできない。
「忙しいのに、いちいち聞いてくるんじゃないよ…。まずは自分で調べなさいよ。私なんかそうやって覚えてきたのよ。
「そんなことみんな知ってることでしょ。いまさらそんな質問してくる?新人ならいざ知らず、もうあなた何年目よ。私なんか、そんなこと入社して1か月で完璧に理解してたわよ。
「かしこぶって、なんか嫌な感じ。私はあんな態度絶対とらないわ。なんなのあれ。
「だまってばっかり。なんなの。何考えてるのか分からないよ。自分の意見をちゃんと述べるようにって学校で習わなかったの?私はそうやって育ってきたのに。
「あの人どこ行ったの?またどっか行ったの?どこ行くとも言ってない!?誰にも何も言わずに出ていくって何。常識ないの。コミュニケーション能力欠如してるの。私なら絶対に言ってから行くよ。そんなの当たり前でしょ。
「すごいよね。逆にすごいと思うよ。どうしてあんな冷たくいられるのか。あの冷たさが私にもあったらなってうらやましいぐらい。もちろん、本気でそんなこと思ってないけど(笑)


こんな具合です。
こんな「比較」では、世の中いやなことだらけ。ストレスでまいっちゃいます。

なので「比較」はダメです。

・・・なんて言いません。「比較」したくなるのもまた人間です。

そこで、どうせ比較するなら『良いところ』を見つけて「比較」しましょう。その方が自分も楽になります。相手とのやりとりも楽になります。
「楽」つまり、楽しくなる可能性だってあります。


思いの数々と自分(相手の良いところ)


では、さきほどのフレーズの数々をもう一度出してみましょう。
今度は『良いところ』を比較です。

「あの人は本当に覚えが悪いなぁ。でも、一生懸命やってるし、あの人が覚えられるようになるにはどういう教え方、学び方がいいんだろう。カリキュラムの作り方もそういう観点から作り直した方がいいかな。それでうまくいけば、それを活かして私もより教えやすくなる。どういう風にすれば、自分として覚えやすくなるかってことも率直にあの人に聴いてみよう。」

「なんでそんなに偉そうに物が言えるの。あなたは一片の曇りもないの?あれだけの自信を持てるってむしろうらやましいな。性格的なところもあるんだろうな。いままでどんなことしてこられたんだろ。武勇伝というか、苦労話なのかな、ちょっといろいろ聴いてみたいな。はっきりいって、私の人生とは全然違う感じなんだろうし。」

「何にでも食いついてくるけど、自分の仕事はちゃんとやってるの?自分の仕事した上でいろんなことにも興味もって絡んでるなら、まぁエネルギーがすごいよね。仮に自分の仕事がおざなりになってるとしたら、それはいいことではないけど、どうしておざなりにしちゃうんだろ。そんなにいろんなことに興味持てるなら自分の仕事にだって興味持てるだろうに。実はあんまり興味ないのかな。そのあたりはちゃんと聴いてみないとだな。」

「まだやってなかったの!遅すぎるよ。何してたの!そんなにそれにこだわらなくてもいいのに。どこか気になるところあるの?わりと完璧主義なところがあるのかな?それはそれで素晴らしいけど、あんまり根詰めすぎると期限に間に合わないし、自分自身も疲れちゃうでしょ。完璧をイメージしつつ、ほどほどにっていう良い塩梅を見つけていくのも大事だと思うし、それができたら、ものすごく成長しそうじゃない?」

「好きなことばっかりやって、やることもやりなさい。好きなことがあるのは良いことだから応援もしたいけど、社会人たるもの、役割もこなさないとね。役割こなして約束守って、やることやって、それで好きなことやるようにしよう。もしくは、好きなことやりながらやることもやれる方法はないか、考えてみたら面白いんじゃない?何か良いアイデアある?」

「あの人の話長すぎるんだよ。しかもいつも同じ話ばっかり。まぁ、ああいう方がいてくれると助かる部分もあるんだよね。あの人には申し訳ないけど『あの人の話、長かったですね~』ってあとで雑談のネタになるんだよね。あの会議の場面でも、なんというかみんなが同じ思いを共有できるっていうか…。『話長いね。困っちゃうね(笑)』っていう。まぁ、できればその場を取り仕切ってくれる人がいたらよりいいんだけど。そっか、ファシリテーターみたいな人、据える必要があるってことじゃない?あの人のおかげで、なんか一つ気づけたかも。」

「忙しいのに、いちいち聞いてくるんじゃないよ…。間違えてから『間違えました!』って報告に来るよりはいいかもしれない。でも、できればね、まずは自分で調べて、マニュアルもあるんだし。その上で、聴いてきてくれればそれはマニュアルを更新するヒントになるかもしれない。だから、訊きに来てもいいけど、まずは調べてからでお願いね。」

「そんなことみんな知ってることでしょ。いまさらそんな質問してくる?聞くはいっときの恥、訊かぬは一生の恥だから質問すること自体は良いこと!ただ、このレベルのことはもっと早く知っておかないとだよね。でも、やっぱりそうやって質問してくれること自体、実はとても難しいこと、もはやこの質問をすること自体勇気が要ったと思うし、その点は良いこと!ほかにこの際、確認しておきたいことがあれば、言ってね。」

「かしこぶって、なんか嫌な感じ。ああいうタイプの人、クラスに一人は必ずいたよね。なんか懐かしいな。それにしても、かしこぶっているものの、実際賢いんだよね。私はああいう思考回路持ち合わせてないし、そういう意味では嫌なんだけど、自分にはないって意味ではちょっとうらやましくもあるかもしれない。でも、もう少し、話しやすいオーラを身にまとってほしいかもだけど。なんてたって、話しかけにくいし。」

「だまってばっかり。なんなの。何考えてるのか分からないよ。これだけいろんな人の意見をじっと聴いてきた中で自分はどう感じたかを話してくれるのは実はとても貴重な意見になると思う。議論が白熱してる最中、渦中にいるとなかなか視野狭窄で見えなくなる部分もたくさんあるから。その点、こうしてじっと議論を観察してくれたからこそ、どんな風に感じたのかなっていう、そのあたりを聴かせてくれるとすごく助かります。」

「あの人どこ行ったの?またどっか行ったの?どこ行くとも言ってない!?ほんと、フーテンのなんとかさんみたいな人だねぇ。どこかでバナナのたたき売りでもしてるのかしら。帰ってきたらしっかり働いてもらわなきゃ。でも、それでいて実はちゃんと成果もあげてくれることもあるから、ほんとに自由人だわねぇ。私もちょっくら出かけてくる~ってしてみたいわ。」

「すごいよね。逆にすごいと思うよ。どうしてあんな冷たくいられるのか。あれは冷静というよりも冷淡よね。ある意味で周囲の気持ちに飲まれないっていう強さはあるのかなとも思うけど。あの人が我を忘れて焦ってることなんて見たことないし。そういう意味では、そういう風に焦ってるところも見てみたくはあるわね。どんな感じなのかしら。」


すでに3723文字ということで、このあたりまでとします。

「比較」をするにしても、「良いところ」とを比較するように。

私はこれが得意です。

なぜなら、だれもが個性的で、みんな違ってみんな良いと本気で思っているからです。

優劣をつけるのは義務教育までで十分。

大人になったら、もっとその人らしさを活かしましょう。
無理やり変えようとしたって、あなただって変わらないじゃないですか。

相手も同じです。

ただし、「法律」と「契約」と「約束」は守らなければなりません。
だから、仕事として行うなら会社のルールを守らなければならず、
会社が求める役割を果たすことでお金をもらう以上、約束を守らなければなりません。これは前提です。

『良いところで比較』し、『互いに約束を守る(役割を果たす)』こと。

シンプルでありながら、常に気を付けたいことです。




最後までお読みいただきありがとうございました。


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