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B013_対立を読み解く ~キーワードは「主観と客観」~(4)

2日に一度は雷雨に襲われる関東地方ですが、皆様がお住まいの地域はいかがでしょうか。かくいう私は、関東以外では特に愛知、大阪、高知とつながる機会に恵まれていますが、どちらにお住まいでも一様に「暑い!」との便りを頂きます。温暖化は、もはや誰の目にも明らかな状況です。これからは暑さ対策なんて生ぬるい言葉ではなく、『暑さから身を守るための防衛策』が必要な夏が毎年ますます深刻化していく。それを考えると、八方ふさがりな夏の暑さに今から卒倒しそうです。それでも皆様へ、月並みですが、この言葉を。…皆様、どうぞご自愛ください。

さて、対立を読み解く~キーワードは「主観と客観」~と題して、これまで3回に亘って書いてきました。今回が4回目です。あまり続き物を書いても、お読みになりにくくなるばかりと思い、今回で完結させようと思います。

それでは、本題に入ります。


「外在化」


『外在化』とは、「内から切り離して外に出すこと」です。

『内』とは、「頭の内」「身体の内」のことです。

つまり、『外在化』とは「頭の内にあるもの、身体の内にあるように感じられるものを外に出すこと」ということです。

頭の内にあるものとは、「考え・思い」などであり、

身体の内にあるように感じられるものとは、「ずっしりした重いもの、どす黒いもの、ちくちくするもの」などです。

本連載と関連したところで言うと、外在化とは特に前者のことを指します。

以上を集約すると次のようになります。すなわち、

『多くの主観的事実(意見)が対立する場面で、頭の内にある考え・思いを外に出すこと』


「外在化」は「意見表明」ではない。


なんだ、結局、外在化だなんて言ったって「頭の内にある考え・思いを外に出すこと」って、『意見を述べる(意見表明)』ってことじゃないか。

そうお思いになられたかもしれません。

その思いに対して、私は明確に「NO」と言います。

意見表明程度では、外在化とは言いません。

外在化は「私と完全に切り離すこと」です。

あなたが述べた意見があなたのものである限り、あなたはその意見と一体化しています。

一体化している限り、「意見と意見の対立」はみせかけのまま、実態は「人と人の意見」のままです。

あなたの意見が傷つけられれば、一体化してしまっているあなたは不機嫌になるでしょう。あなたの意見を守ろうとするでしょう。相手の意見を攻撃することもあるでしょう。それはすべきではありません。

「あなたから生まれた素晴らしい意見ですが、表明された時点でもう子離れしましょう。」と私は言っています。

多くの方々から生まれた子供たちはいまや独り立ちし、さらに素晴らしい環境を自ら作り上げようとしているのです。

そのとき、意見を次々と生み出す親たちは、子供たちがときに協力し合い、ときに反発することについて、距離を置きながら、手助けをすることもあるでしょうし、「今はそんな時間じゃないよね。」と言って諭すこともあるでしょう。

さて、そろそろ具体例がほしくなりましたね。

では、彼らに再登場してもらいましょう。


全ての「主観的事実」を大切にする


1人目:そもそも、本当に収益を上げている人なんているのか。
2人目:今日のテーマはどうやって収益を上げるかなんですから、収益を上げる方法を考えていきましょうよ。
3人目:収益化というものは何をするにしても、プロセスがあると思います。古くはアイドマの法則なんて言葉もありますし、マーケティングリサーチなのかPDCAサイクルなのかインテリジェンスなのか、いずれにしても計画的に進める必要があると思います。
4人目:まずはわたしたちの存在を知ってもらうツールとして位置付けるという段階を持つことが大切なんじゃないかと思います。
5人目:4人目の方の言われたように『存在を知ってもらう』ということを最初に目指すのがいいんじゃないかと思います。


さぁ、全員の意見を暗記して下さい!

大変ですよね。

いやいや大変なことないよ、私はもう全員の意見を暗記したよ。

そんな方もいらっしゃるかもしれません。では、お尋ねします。

あなた以外の方々も全員の意見を暗記したという確証は持てますか。

書き出さずに進むコミュニケーションを「空中戦」と言ったりします。

これは本当に言い得て妙です。言葉が宙を飛び交い合う。地面に痕跡を残さない。


さぁ、いよいよご覧にいれましょう。

本当は前回、これをご覧に入れる予定でしたが・・・なにせ前回はとても眠かったので…。


議論の見える化


5人の主観的事実(空中戦)をホワイトボードに書き出したもの(地面に痕跡を残したもの)です。

5人が順番に発言した結果です。

まさに『外在化』された瞬間です。

ご覧になられて、印象・受け止め具合はいかがでしょうか。

そして、このあと、皆様でしたらどのようにこの議論を進めていきましょうか。


ひとまず、対立を読み解く ~キーワードは「主観と客観」~として、一つの中間目標には到達したということで、本連載はこれにて一旦終了いたします。

最後までお読み頂き、ありがとうございました(感謝)。


「え、もう終わりか!?」・・・ですって?

そんなふうに思って下さる方がいらしたら、有難いです・・・。













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