木下龍也の短歌と、青葉市子の詩に寄せて

服を脱ぐたびにあなたは神様をやめてわたしの獣になった
       木下龍也『あなたのための短歌集』ナナロク社

幻の答えはいつも同じ 鬼ヶ島に授けた赤子を 殺しに来る肌艶の良きあなた
       青葉市子「鬼ヶ島」


大英博物館で、踊るシヴァ神の像を見つけました。
破壊と創造の神。
妖艶に黒光りするその艶肌を前にして、どうして膝まづかずにいられましょうか。でもあなたは、これが欲しいとささやいて、そのとき少しだけ鼓動が速くなるのを私は知っています。

濁流にのまれた私たちを止められるものは、二度と現れないような気がしました。


七・五度のフィーバーに苛立ちがないのはなぜか 君だけが知る

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