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3年後のシェアNo.1を目指して。CSO工藤が語るTEN EXPERIENCEの組織作り


クリニックの開業コンサルティングから最大手SaaS企業へ。工藤のこれまで

――工藤さんのこれまでのキャリアを教えてください。

大学時代までさかのぼると、大学での4年間は「野球漬け」の日々でした。4年生の10月に最後の大会があり、引退と同時に新卒で入社する会社でのインターンをスタート。それまではろくにパソコンにも触れなかったのですが、4月から即戦力になるべく周囲より数か月先に社会人としてのスタートを切りました。

新卒で入社した会社はウエディング・レストランなどのコンサルティングをやっている会社で、ビジネスマンとして、コンサルタントとしてのいろはを徹底的に叩き込んでもらいました。

当時から成長意欲があり人一倍負けず嫌いな性格だったことから、常にハードワーク。気づけば無我夢中で仕事をする日々を過ごしていました。

そんな仕事漬けの日々を過ごしているなかで、もっと世の中に貢献できるような仕事をしたいと思うようになり、医療系の専門商社への転職を決意。最初は現場を知るためにルートセールスを担当し、その後開業コンサルタントとして3年間従事しました。

――専門商社ではご活躍されていたのですか?

年間数億の目標が課されていたのですが、その倍以上の売上を作ることを意識して仕事に打ち込みました。その結果、業界としてもトップセールスに分類される数字を上げることができ、自分自身の成長を実感できました。しかし次第に周囲から「工藤はできて当たり前だよね」という見方をされることも多くなり、その状況に違和感を覚えるようになりました。

そう思われてしまうと、切磋琢磨ができなくなってしまう。自分の成長スピードが鈍化することに焦りも感じ始めていた時期だったので、転職を決意しました。

専門商社では主にクリニックの支援を行ってきましたが、自分の今後のキャリアを考えたときに、中小企業の支援を業種・業界問わずにやりたい。さらに、自分の成長スピードが最大化するような環境に身を置きたい。そこで、世界No.1のCRMであり、トップセールスマンの集まるSalesforceで自分の力を試してみたいと考え、salesforceへ入社しました。

――一口に「コンサルタント」と言っても、クリニックの開業支援と、中小企業の支援では異なる点も多いのではないでしょうか。salesforceに入社して大変だったことは?

ずっと大変でした(笑)。一緒に働くメンバーは皆優秀でしたし、上を見ればどこまでも上がいます。これまでもコンサルタントとして働いていましたが、salesforceはプロダクトの価格が決して安くはない分、これまで以上に深くクライアントに入り込み、課題解決にドンピシャな提案ができなければ導入に至りません。

安価な競合他社と比べてどのようなバリューを出し、クライアントを成功に導くのか。徹底的に考え抜き、提案し続ける5年間でした。たとえるならば、専門商社で経験した1年間をsalesforceでは1ヶ月で経験するような感じでしたね。


――10倍以上のスピード感を感じていらっしゃったんですね。でも、そんな大変な環境で5年もの時間を過ごして、なぜ転職を?

もともとずっとsalesforceにいようと思っていたわけではありませんでした。いずれは自分で会社を立ち上げたいと思っており、プライベートでも「中小企業の優秀な方とお会いする」というKPIを定めて行動を続けていました。

salesforceに入社して5年を迎えたタイミングで、まずマネージャーを目指すのか、プレイヤーとして突っ走るのか、それとも自分のやりたいことに早くたどり着くために外に出て新しい挑戦をするのかを考えました。

salesforceでマネージャーになる選択肢もあったのですが、いっそのこと早く外に出て違う視点で幅広い事業領域を経験しながら力をつけていく方が、自分の市場価値を上げるためには最善だと考えました。

自分の経験とノウハウを生かして、TEN EXPERIENCEのプロダクトをより強固なものにしたかった

――TEN EXPERIENCEとはどのような出会いでしたか。

実は、TEN EXPERIENCEがプロデュースをして「クリニックTEN渋谷」を立ち上げた3年前、TEN EXPERIENCEの代表・大江さんから「うちに来ない?」と声をかけてもらっていました。

ただ当時はsalesforceで働き始めて2~3年でしたし、やりたいこともまだまだあったので、自分としてはタイミングではなかったんですよね。2023年に本格的に転職を考え始めたタイミングでTEN EXPERIENCEのお話を再びもらったのが、今回の参画のきっかけでした。

――これだけのご経歴のある工藤さんだったら、引く手あまたでしたよね?

外資系の大手SaaS企業、国内の大手企業などの他の企業に入社することも選択肢としてありました。当然、会社の規模が大きいだけあってそういった企業からのオファー金額は大きかったのですが、「本当にそれで良いのか?」とも思ったんです。

たしかにTEN EXPERIENCEに入社したらそれらの企業より年収は下がるし、整っていない部分も多いかもしれない。でも、ゼロイチのフェーズはこのタイミングでしか経験できないとわかっていましたし、一度年収を下げてでもゼロイチのスタートアップで働くことは、自分の人生・キャリアにおいてプラスだと考えました。

――とはいえ、ゼロイチを作っているスタートアップ企業はたくさんあります。その中でもTEN EXPERIENCEを選んだのはなぜですか?

自分の強みをもっとも生かせる領域だったからです。もともとクリニックの開業コンサルをしていたので、ある程度医療に関する知識やバックボーンがありました。その後SaaS企業で勤務していたので、TEN EXPERIENCEの扱う「医療 x SaaS」の領域は、これまでの経験や知識を遺憾なく発揮できると考えました。

とはいえ、TEN EXPERIENCEが提供するSaaSは、転職前の段階ではまだヒヨコのような生まれたてのプロダクトで、「本当に売れるのか?」という迷いや疑念もありました。それでも、ヒヨコのプロダクトだからこそ、自分の知識や経験によって強いプロダクトにしていける。自分の手でプロダクトを作っていける経験は貴重だと思いました。

また、面接時に大江さんから「営業組織の立ち上げからすべてを任せる」とお話いただいていました。自分がいかにバリューを出せるのかを試してみたかったというのも、TEN EXPERIENCEにジョインを決めた理由のひとつです。

――TEN EXPERIENCEが目指す世界についてはどのように感じましたか?

TEN EXPERIENCEは「誰もが感動する“滑らかなかかりつけ医療体験”を日常に。」をビジョンに掲げています。面接時にそのお話を聞いて、素直に「いいな」と思っていました。

というのも、前職は本当に忙しい環境だったので、健康診断で引っかかっても治療に時間を割けない人がとても多かったんですよね。その背景には、待ち時間が長い・終わり時間が読めないというペインがあり、「病院は重大な病気になってから行くもの」と捉えている人も多かったように思います。

ですが当然、日ごろから定期的に病院にかかり予防に努められる方がいい。TEN EXPERIENCEのサービスがよりよくなっていくことで、待ち時間のない世界線を作り、気軽に足を運べるようなクリニックモデルを広められればと思っていました。

営業組織の立ち上げから、医院経営にまつわるあらゆる課題解決を目指す

――現在の工藤さんの業務内容を教えてください。

大きく分けて、営業組織の立ち上げ、事業の垂直立ち上げのふたつを担っています。

営業組織の立ち上げでは、THE MODEL型の営業組織の土台を作り、マーケティング、インサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)、カスタマーサポート(CS)までを体系化していくのがもっとも大きなミッションです。

そして、売上を最大化し事業を垂直に立ち上げる責任も私が担っています。そのためにわたし自身も営業メンバーとして活動しています。

――THE MODELといえば、salesforceが提唱・実践してきた営業活動に関する分業体制のことですよね。お膝元で経験されてきたとはいえ、ご自身が作っていくのは大変ではないでしょうか?

私がsalesforceにジョインしたタイミングは拡大フェーズであり、毎月40~60人の社員が入社するほどのいわゆる発展期だったので、IS・FSとして、その体制が根付いて成熟するまでを体感してきました。

そのため、垂直的な事業成長を目指すTEN EXPERIENCEではsalesforceの手法を真似て組織内にTHE MODELを浸透させていくのが最適な手段だと考えました。ただし、業界の特性もありますし、THE MODELだけでは補填できないような領域も存在します。土台ができあがってからは、TEN EXPERIENCEに合った形に色を付けていきたいと考えています。

――営業のプレイヤーとしてはどのような活動を?

入社してから約半年で導入目標数として掲げていた院数にTEN EXPERIENCEを導入いただいており、そのための営業活動を担当してきました。直近3年で1000~2000院への導入を目指しており、組織が拡大してプレイヤ―だけで回るようになるまでは、私自身もプレイヤーとしての活動は続けていくつもりです。

TEN EXPERIENCEの営業の特徴は、ただSaaSプロダクト・Fankaを売るだけではなく、各クリニックの目指したい方向や希望に寄り添い、伴走していくところ。Fanka(TEN EXPERIENCEが提供するSaaS)はクリニック運営をスムーズにするためのひとつの手段に過ぎないと考えているので、どんな未来を作りたいかを一緒に考えながら、コンサルタントとしてもお力添えをしています。

今後は、医院経営にまつわるあらゆる課題解決ができるような仕組みをより強化していきたいと思っています。

個性を生かしながら輝けるフィールドを作るために

――TEN EXPERIENCEの組織作りをゼロからスタートし、約半年。目指す組織像は?

それぞれの持つ強みを存分に生かしてもらえる、輝かせることのできる組織を作りたいと思っています。

私が今構築しているTHE MODELの体制では、社内ジョブチェンジが容易にできます。たとえば、FSを経験した後に「もっとカスタマーに寄り添いたい」と思えばCSとして成果を出してもらうこともできますし、ビジネスサイドに関わりたいと思えば経営企画に入ってもいい。その時々の自分の出せるバリューや、描いているキャリアによって成果を出していただき、結果的に組織の成果につながっているという状態を作れる組織を目指しています。

さらに、「ノウハウを盗める環境」も提供していきたいなと思っていますね。

――「盗める」?

そうです。たとえば代表の大江さんは、デロイトトーマツコンサルティングでコンサルタントとしての経験を積んだのち、DeNAで事業づくりをしてきました。事業開発部長である米田さんはご自身で事業を立ち上げて大きくグロースさせた経験があり、私はここまででお話してきた通りシェアNo.1の企業でセールスを経験してきています。

正社員のメンバー以外にも、顧問や業務委託のメンバーとして、大手SaaS系企業、数々の名だたる企業などで働いてきた精鋭が参画しています。TEN EXPERIENCEの仲間になってくれたら、ぜひそういった精鋭たちの技を盗み、自分の市場価値を高めることを意識しながら働いてほしいと思いますね。

――なるほど。TEN EXPERIENCEでの活躍だけでなく、その先のキャリアも見据えて、存分にTEN EXPERIENCEの環境を生かしてほしいということですね。今のTEN EXPERIENCEには、工藤さんのように成長欲求の強い人の方が向いているのでしょうか?

基本的にはそうだと思います。医療や健康に関する領域なので、社会貢献欲求もある程度必要ですし、その欲求が高い人も組織としては重要です。ですが、今のTEN EXPERIENCEはゼロイチのフェーズなので、ハードシングスにぶつかったときにその思いだけでは歯を食いしばれないシーンも出てくるかもしれません。

そんなとき、ぶつかった課題を「自分の成長のためである」と捉えられる素養があると、前に進みやすいのではないかと思います。

ただ、だからといって成長のためにハードワークを求めるわけではありません。むしろTEN EXPERIENCEは、家庭を持つ人、子育てをする人でも働きやすい組織にしていこうと思っています。

仕事はあくまでその人生の一部。家族を大切にしたい人も、半年に1回長めのお休みを取って海外旅行に行きたい人もいます。仕事だけしていたらどこかでガス欠するし、健康に影響を及ぼすこともあるかもしれません。私は、そんな組織にはしたくなくて。

9時~18時にみっちり働けば、それ以外は仕事をしなくて良い世界も、性別にかかわらず安心して育休が取れる世界も作れる。そのためにもまずはTHE MODELを浸透させ、TEN EXPERIENCEの組織の土台を整えていきたいですね。

――TEN EXPERIENCEの今後の展望を教えてください。

3年後には、医療機関向けSaaSのシェアNo.1になっていたいですね。導入医院数にすると1000~2000を目指しています。

現在の導入医院数から考えると、決して簡単な目標ではありません。ですが、働く人が当事者意識を持つこと、顧客視点に立った価値提供を続け、そのために果敢なチャレンジをし続けることで、スピード感を持って目標に近づいていけると信じています。

正直、私のことなんて飛び越してもらって構いません。私はあくまでも皆さんのポテンシャルを引き出す役割で、それが結果的に売り上げにつながっていくはず。一緒にこれからのTEN EXPERIENCEを作り上げていきましょう!


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