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にんじんは「根」

冬の畑は超地味である。目を惹くものはない。
つまらない。しかし、それなりには生きている。それなりに。
うちの畑は、基本、雑草を刈って敷くことで堆肥化させ、地道に土を育てていく自然菜園にしていこう〜と決めてから、放っておいているんだか、研究しているんだかな畑で。
消極的試行錯誤とでも言いましょうか。
育っていただけるなら育ってください、という方針。
畑の話は、またゆるゆると。

一昨年、にんじんを最後収穫せず、放っておいたら花が咲き、たねを付け、そのこぼれだねから芽が出た。
こぼれだねからできる野菜は、たねがその土地の気候、土の状態などあらゆる育つための情報を書き込んで次の世代に伝えるので、その土地に最適の状態に育っていく、らしい。
さて、にんじん。たくさん芽が出てうれしく、適当な間隔のようなので間引きもせず、いいんじゃない?と思っていたら、この、雨の全く降らない冬。
にんじんだけじゃないけれど、葉っぱは赤くなっちゃうか枯れちゃうかで、ほんと厳しい。
一体土の中でどうしていることか、とひとつ試しに掘ってみた。
いわゆる売っているにんじんをイメージさせる色でも太さでもない。
言ってみれば、「にんじんって根の部分を食べている野菜でしたね」と思い出させる形状。

まあ、掘ってしまったので、食べてみるかと、朝食のお雑煮に、薄めに切って入れてみた。
食べても、主張してくるのは「根」。ちょっとごぼうに近いかも。
本来のにんじんはどんな味なんだろう。
いや、むしろ、何世代か後、「うちの畑のにんじん」はどんな味になるのだろう。


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