筋トレ中に炸裂した魔女の一撃
最近、暑い日が続いて夏だと実感しますね。
夏だからなのか、ジムに来る人が増えて、
活気が出てきたと感じるタチアオイです。
僕もジムに入会したのは夏頃でした。
今は、筋トレ歴1年くらいになりますが、
ジムに入会したのは、更に1年前のことです。
決意を固めて入会したのに、なぜ一年間もジムに行かなくなったのか。
遡ること2年前、あの日も暑い夏の日でした。
太った僕の決意
2年前の僕は、94kgありました。
高身長というわけではないです。
身長は170cm。
佐藤健や中村倫也と同じイケメン身長です。
でも、体重は全然イケメンじゃありませんでした。
体脂肪率も34%ありました。
なぜ、こんなにも太ったのか?
それは、暇を持て余した暴飲暴食が原因です。
コロナになって、一人の時間が増えるとyoutubeやNetflixを見ながら、お酒を飲むのが習慣になっていました。
一人で飲むと喋らないので
黙々とモグモグする永遠ループ。
そんな生活をして、順調に太っていった、ある日気がついたんです。
脇の下が”肉割れ”していることに。
ものすごくショックでした。。。
太っていたのは自覚していたので、
お腹周りに肉割れはないか、毎日確認していました。
でも、割れていたのは脇の下。
先に脇の下が肉割れすることなんてあります?
その後の数日は、いかに肉割れを拡大させないかを追求する日々でした。
ランニングや自重トレーニングをして痩せようとも試みました。
しかし、太っている期間が長くなると長時間の運動は、
ハードルが高くて、続きません。
でも、このまま太り続けて、肉割れが体中にできるのは嫌だ。
そう思って、短時間の運動で体を変える方法を考えました。
そして、『短時間の運動で体を変えるには、ウエイトトレーニングの筋トレしかない!』とジムに入会するのを決意するのです。
気付かされる現実
入会は無事終了し、あとは筋トレをするだけです。
僕はウエイトトレーニングには、自信がありました。
高校生の頃、半年ほど学校やスポーツセンターで、トレーニング室を借りて、筋トレをしていた時期があり、パワーには自信がありました。
早速、筋トレの王道
『BIG3』のベンチプレス・スクワット・デッドリフトに挑戦。
結果は、3種目とも扱える重量が大幅に落ちていました。
またまた、ショックでした。
体重が高校生の時より20kg以上も増えているのに、扱える重量は大幅に下がっている。
筋肉は減って、多くの脂肪がついたのだと実感しました。
しかし、嘆いてる暇はありません。
体中を開拓しようと肉割れが、すぐそこまで迫ってきているのですから。
僕は、マッスルメモリーを信じて、筋トレに励むようになります。
1ヶ月が過ぎた頃、高校生の時に扱っていた重量くらいを上げる事ができるようになっていました。
『マッスルメモリーは、存在したんだ!』
この時の僕は、痩せる目標より重量を上げることに執着していました。
それが、魔女を呼び寄せることになるとも知らずに。。。
背後から忍び寄る魔女
高校生の時より、『BIG3』の記録を更新しようと思った僕は、トレーニングメニューの重量も上げていきました。
しかし、記録に挑戦する時は、1回だけ持ち上げる動作をすればいいので問題はなかったのですが、トレーニングになると連続で10回持ち上げる動作をすることになります。
この時の問題は、心肺機能でした。
高校生の時は、肺にダイソンを飼っていたのかな?と思うくらい空気を吸う事ができましたが、今は違います。
長期の運動不足に加えて、喫煙という習慣により、心肺機能は著しく低下していました。
心肺機能が、低下すると満足な呼吸ができなくなり、集中して腹圧をかける事が難しくなります。
*腹圧とは、息を吸ってお腹の圧を高めて、姿勢を維持して怪我の予防する事です。
それにも関わらず、重量を急いで上げていった僕は、腹圧を疎かにして、デッドリフトをやり始めます。
*デッドリフトとは、主に背中と足を使って、バーベルを床から引き上げる種目です。
この時、すでに魔女は僕の後ろで微笑んでいたのでしょう。
炸裂する魔女の一撃
デッドリフトを2セット終わらせて、残り1セット10回 バーベルを引き上げれば目標達成という所まできました。
しかし、僕の心肺機能は限界に近づいていました。
”早く帰りたい” 、”限界からの追い込み”という、
相反する考えが、僕を焦らせました。
3セット目
バーベルを握り、呼吸を整え、腹圧をかける。
足で地面を踏み込み、バーベルを浮かせ、背中で引き上げる。
1回、、2回、、3回、、
そして、6回目を引き上げる時に腹圧が弱まっている事に僕は気が付きました。
呼吸を整え、腹圧を高める
、、、、、べきでした。
もう心肺機能は限界だったんです。
腹圧どころか、まともに呼吸が出来なくて苦しかった。
バーベルを握る手、支えている脚も背中も全てが引きちぎれるくらい熱く痛かった。
この時点で、辞めるのも一つの手段でした。
”早く帰りたい”と”限界からの追い込み”
この二つの言葉が、僕の頭の中を駆け巡りました。
『あと一回だけ、引き上げて終わろう。』
そう心の中で決めた途端、腹圧のことなど考えもせず
全身に力を入れて、一心不乱にバーベルを引き上げました。
その瞬間、魔女の一撃が僕の体に衝撃を与えました。
後ろの方から異様な音と共に目の前の景色が歪んだのです。
何が起きているかすぐには理解できませんでした。
ゆっくりとバーベルを地面に置き、呼吸をしました。
しかし、呼吸をしているのに肺に空気が入っている感覚が、ほとんど無いのです。どんどん頭から血が引いていくのがわかりました。
回らない頭で、とりあえず座ろうと足を動かそうとした瞬間に気がつきました。
腰から下の感覚がない。
もう、パニックです。
体が求めるままに呼吸をするので精一杯でした。
しばらくすると、肺に空気が入っていく感覚がわかっていき、腰から下の感覚も蘇ってきました。
『よかった。』そう思って、体を動かすと腰に激痛が走ります。
僕は、人生で初めてのギックリ腰をしてしまったと理解しました。
欧米では、ぎっくり腰の事をを『魔女の一撃』と呼ぶそうです。
最後の力を振り絞れ!
ぎっくり腰と分かったら、帰りたい気持ちで一杯です。
早速、片付けようと、5kgのプレートに手を伸ばしますが、どう頑張っても、持ち上げるができません。
この先に、10kg、20kgとプレートが待っているというのに。
少し考えたあと、ジムのスタッフさんに頼もうと決めました。
『腰をやってしまって、片付けを手伝ってくれませんか?』
僕は、恥ずかしがりながら男のスタッフさんに伝えました。
彼は優しかった。
『大丈夫ですか?全部片付けるので休んでてください!』
感謝の気持ちと共に、帰る方法をどうしようと考えました。
僕は、ジムまで15分かけて自転車で来ています。
ぎっくり腰で、自転車に乗れるのか?
歩いて帰った方がいいか?
逆に、歩きの方がしんどいのではないか?
そして、答えを導き出したと同時にスタッフさんが、バーベルを片付け終えて、僕の方へ向かって声をかけてくれました。
『もっと落ち着くまで、ゆっくりしていってください』
僕は、優しい人だと感じながらもその提案を受け入れず、こう言いました。
『いえ、アドレナリンが出ているので帰ります!』
僕は、まだパニックだったんです。。。
困惑した彼の顔を最後に見て、僕はジムを出ました。
最後の力を振り絞り、異様なほど背筋よく自転車に乗り帰宅。
そして、心が折れた僕は1年間ジムに行かなくなりました。
皆さんも魔女の一撃には気をつけてください。
魔女の一撃は、次の日からが本番です。
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