『ルドルフとスノーホワイト』を読んで
シリーズ四作目
ルドルフ イッパイアッテナ
ブッチー デビル
ドラゴン三兄弟のテリー
おなじみのメンバーに加え
ブッチーの子どもたちも登場する
クッキー ラッキー チェリー
ブッチーは獣医さんのところのミーシャと
めでたく結婚したのだ
そしてタイトルにもなっている
スノーホワイト
ちなみにこのシリーズのねこたちは
文字が読めるわけだが
イッパイアッテナに至っては、すでに英語をマスターして洋書を読んでいる、、、
俺は読めないのに、、、
ねこに負けた、、
く、悔しい、、、
おれなんか四十こえてもまだ
児どう文学にむちゅうやっていうのに!
ブッチーの子供たちはみんな
『ルドルフおじさん』に憧れている
遠い所からトラックでやって来たのが
カッコいいらしい
香港飯店のシウマイを分け合うねこたち
ブッチーが住んでいた金物屋は
今では中華料理屋になっているのだ
やがてブッチーの息子の
クッキーとラッキーは
それぞれ柴又の床屋と
奥戸の家にもらわれてゆく事が決まり
そして事件は起こる
数日間、ゆくえをくらませていたブッチーが
傷を負って帰ってきた、、、
ブッチーは何も語ろうとしないが、、、
イッパイアッテナはこれを
由々しき事態だと受け止める
イッパイアッテナのなわばりの中で
ブッチーにけんかを売るようなねこはいない
北は常磐線の線路あたりから
南は総武線のちょっとむこうまで
西はバス通りのすこしさきくらいまで
東は江戸川までがイッパイアッテナのシマだ
ブッチーがケンカをしたという事は
イッパイアッテナのなわばりの
外に出たということだろう
ブッチーはどこへ行ってきたのだろう?
ブッチーを傷付けた相手を探そうとする
イッパイアッテナ
デビルは言う。
『つまり、メンツと危機管理の問題だな。』
『つまり、こうだ。たとえば、タイガーのなわばりに、だれかねこがいて、そいつのことをタイガーがあまり好きじゃないとする。でも、そのねこがほかのなわばりのねこにけがをさせられたら、好きじゃなくても、タイガーはしかえしをしなくちゃならない。タイガーのなわばりに住んでいるねこがだれであろうと、けがをさせられたら、それはタイガーにけがをさせたのと同じだ。だから、タイガーはほうっておくわけにはいかない。それから、危機管理っていうのはだな、つまり、、、。』
『タイガーのなわばりのやつにけがをさせても、タイガーが知らんぷりをしていれば、相手は、なんだ、タイガーなんてあまいもんだ。このさい、タイガーのなわばりに攻めこんで、こっちのなわばりにしてしまおうって、そう思われるかもしれない。まあ、タイガーが負けることは考えられないが、万一負けたら、香港飯店の春巻きだって、シュウマイだって、ぶんどられてしまうかもしれない。負けない方法は勝つことだけじゃない。あらそいにならないようにすることも、負けない方法のひとつだ。そういうのが、つまり危機管理だ。』
柴又だったらタイガーのシマだから
こういうことにはならない
だからブッチーは
柴又のクッキーじゃなく
奥戸にもらわれていった
ラッキーの様子を見に行ったんだろう
ブッチーは奥戸のねこと
ケンカしたのかもしれない
奥戸は確か
シリウスというねこのなわばりの筈だが、、、
というお話です
ぽけっとしたのんきなキャラだったルドルフ
(まぁいまだにそれが基本路線なんだけど)
前作あたりから時折
キリッとした精悍なねこに豹変する時がある
『ああ、そうかい。こんな首なら、いつでもくれてやる。このルドルフはな、タイガーの兄貴にゃあ、かえしきれねえ恩があるんだ。兄貴のためなら、、、』
とかツラツラと車寅次郎みたいな
タンカ口上を切るシーンがあって
一作目と比べると
ルドルフの成長っぷりに目頭が熱くなる
ブラウン シリウス
そして横浜のブルースに
ジェントル・ジョニーに
スノーホワイト
次々と出てくる顔役のねこたち
そして
憧れのルドルフおじさんのまねをして
旅に出るブッチーの娘のチェリー
相も変わらず痛快で
ワクワクするような
ねこたちの物語です
出版は2012年
十年以上前に出た本だけれど
一作目の小学生の頃から読んでる身としては
『こないだ出た続編』である
何十年も読み継げるシリーズ作品があるというのは本当に幸せな事だなぁと思う
ちなみにシリーズ二作目から出てくる
『そば屋の三毛ねこ』の名前が
『ミッキー』であると判明しました
24年目にして明かされる本名、、、