『ルドルフともだちひとりだち』を読んで
シリーズの二作目
前作を読んだ人は絶対この続編も読むべき
読まな人生半分損するで
イッパイアッテナが飼い猫だった頃
住んでいた家の空き地
そこに新しい家が建つという噂を
金物屋のブッチーが持ってくる
イッパイアッテナのかつての飼い主
アメリカに旅立っていった飼い主
イッパイアッテナに文字を教えた飼い主
その思い出の場所が
『とてつもない金持ち』に買われ
新しい大きな家が建つという
ねこたちの世界の中で
イッパイアッテナとともに
名を上げてゆくルドルフ
ブルドッグのデビルとわたりあった
神社党のルドルフってのはてめえか
俺たちは川向こうのドラゴン兄弟
ジャック テリー ブラッド
そんなタンカを切ってきた猫たちを
鮮やかに返り討ちにするイッパイアッテナ
国士無双なステゴロ性能
なにがドラゴンだ
江戸川からこっちは
このタイガーさまのシマだ
カッコいいねえ
そして金物屋のブッチーには
薬屋のミーちゃんという彼女が出来る
春休み
生徒のいない学校に忍び込み
本を読むルドルフとイッパイアッテナ
図鑑をながめるルドルフを尻目に
小学校の学級文庫を卒業し
今度は中学校の図書室で
本を読み漁るイッパイアッテナ
イッパイアッテナはすでに
英語を習得し始めている
すご
まじでか、、、
かたやブッチーは文字の読み書きには無関心で
もっぱら護身術のけいこに明け暮れている
先生はもちろんイッパイアッテナだ
ある日、江戸川の土手に出かけた
ルドルフとブッチーは
因縁の宿敵
ブルドッグのデビルになぜか命を助けられる
デビルにはデビルで
『いろいろ考えるところがあったのだ』
これ以降、デビルは猫たちの仲間になる
ピッコロやベジータと同じ
【強敵が主人公たちの仲間になる】という
少年マンガの王道パターンである
『おめえはガキなんだかおとななんだか、頭がいいのかわるいのか、よくわかんねえやつだな。おとなのねこだって考えつかねえような、あんな計略を使って、おれをおぼれさせようとしたかとおもうと、こんどは、くだらねえことをききにきやがるし。まあ、いいや。せっかくきたんだから、朝めしののこりでも食ってくか。』
『この中に、ステーキののこりが入ってる。ぜんぶ食ってもいいぞ。』
金持ちの小川さんちの飼い犬のデビルは
毎日ステーキを食べるような
豪華な日々を暮らしながらも
孤独な王のように寂しい心を持っているのだ
『世の中には、ごちそうなんかより、ずっといいもんがある。』
『ようするに、おれはひがんでいたんだ。それで、毎日、自由に生きているタイガーに、いじわるをしたりしたんだ。あいつに飼い主がいなくなったのを、いいことにしてよ。』
『ぼく、また遊びにくるよ。イッパイアッテナがだめだっていってもくる。タイガーのこと、ぼくはイッパイアッテナってよんでるんだ。ノラねこだから、名まえがいっぱいあるからさ、ぼくに最初にあったとき、「おれの名まえは、いっぱいあってな。」なんていうもんだから、ぼくは、イッパイアッテナっていうのが名まえなのかと思っちゃってさ。』
『イッパイアッテナか。名まえがいっぱいあってな。友だちがいっぱいあってな、、。イッパイアッテナっていい名まえだな。』
ある夜
かつての飼い主との思い出の空き地で
今は新築の家を建てるため
工事が進んでいる建築現場を眺めながら
イッパイアッテナはルドルフに告げる
『おれな、アメリカにいこうと思うんだ。』
イッパイアッテナが英語を勉強してたのは
かつての飼い主の日野さんに
会いに行くためだったのだ、、、
『あいつはな、おれをひろいあげて、きたならしいレインコートのポケットにつっこんだんだけど、そのポケットにゃ、でっかいあながあいていて、おれは下に落ちないように、ひっしでしがみついていた。』
ねこに字を教えるくらいだから、かわった人にはちがいない。
『飼われていたというより、いっしょに住んでいたといった方がいいかな。じっさいそいつは、「おれはおまえを飼っているつもりはないから、自由にしていいぞ。出ていきたければ、いつでも出ていっていい。そのかわり、おれも出ていきたくなったら、いつでもいなくなるからな。そのときになって、すてられたのなんのって、そんなことはいいっこなしだ。」って、口ぐせみたいにいってた。』
東京港まで行って
サンフランシスコ行きの貨物船にもぐり込む
それがイッパイアッテナの計画だ
前作では岐阜に帰るルドルフのために
宴会をしようとしていたが
今回はアメリカへ旅立つ
イッパイアッテナのための宴会が開かれる
イッパイアッテナ ルドルフ ブッチー
そしてデビル
デビルの家のステーキを肴に
お別れの宴が開かれ、、、
というお話です
一方ルドルフはルドルフで
岐阜に住む、かつての飼い主の
リエちゃんへの思いに
きっちりと落とし前を付ける
ルドルフが
『ぼくの名前はイッパイアッテナ』
と名乗るシーンは本気で泣けます