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『ルドルフとノラねこブッチー』を読んで

待望のシリーズ五作目

なんとなんと今回はブッチーがタイトルに

非常に感慨深いです


『虎に翼』主演 伊藤沙莉みたいな
『笑いのカイブツ』主演 岡山天音みたいな

いや~、そこを主演にもってくるなんて最高!
ってゆー神キャスティングです

元は金物屋の飼いねこでしたが
今ではノラねこのブッチー
(特技はスリーパーホールド)


金物屋が倒産して茨城の親戚のところに引っ越したはずのブッチーの元の飼い主が、、

なぜか再び(スーツを着て)
町をうろうろしているという、、、


書けなくていい
読めればいい

そう言ってルドルフに
文字を習い始めるブッチー

他のねこと違って
今までずっと文字には興味を示さなかった
あのブッチーが、、、

どういう風の吹きまわし?


実はブッチーは
道路標識を読めるようになって
もとの飼い主に会いに行こうと
しているのだった

大晦日の夜
ルドルフといっしょに旅をしてくると
イッパイアッテナに相談するブッチー

だけど、くわしい住所はわからないんだ
茨城県ってとこまでしか、、、


それを聞いても
イッパイアッテナはまったく動じない


紅白歌合戦を観ながら
イッパイアッテナは平然と言う

『うまくいけば、明日のうちに金物屋の住んでいるところは分かる。』
『金物屋のおやじ、筆まめだったか?』


三匹のねこたちは金物屋の商店街なかまの魚屋と花屋にアタックをかけ、差し出し住所が茨城県の年賀状を見つけ出し、そこから金物屋の現在の住所を割り出そうとする

すご
はっきし言って、人間より頭が良い、、


だが、長年飼われていたくせに、金物屋の苗字も名前も知らないと言い放つブッチー

しょうがねえな
じゃあ茨城県から来てる年賀状で
『東京にいたころはお世話になりました』
とか書いてあるやつを探すか
それが多分、金物屋からの年賀状だ
その年賀状の差し出し住所を見れば
金物屋の今住んでるところが分かるだろ

はっきし言って、人間より頭が良い、、、

ねえイッパイアッテナ
市の名前だけ書いてあって
県名が書いてないのがあったらどうするの?
茨城県の市の名前をぜんぶ知ってるとか?

そんなのかんたんにわかるんだよ
茨城県の市町村は最初の二けたが30と31って決まってるんだ
お前がねてる間に日野さんの書斎の本棚から郵便番号簿っていうのを見つけて調べたんだよ

はっきし言って、人間より頭が良い、、、


が、しかし
茨城県からの年賀状は見つからない


暗礁に乗り上げたところで
新キャラのタートルに助けられ


金物屋は茨城ではなく
山梨にいる事が判明する

そうしてルドルフとブッチーは
一路、山梨を目指し、、

今作では
甲府のねこと渡り合う事になる


というお話です


ルドルフとブッチーに
甲府への行き方を説明するイッパイアッテナ

『この近所の駅じゃなくて、総武線の小岩駅から上りの電車に乗って、新宿までいく。そこで、中央本線の特急に乗りかえるのが乗りかえがいちばんすくない。なにしろ一回だからな。だけど、これには難点がある。テレビで見たことがあるが、新宿ってのは、けっこうでかい駅で、ホームの数も多い。しかも、そこにいる人間の数だって、わんさか、わんさか、ものすごい数だ。あそこで乗りかえるのはけっこうめんどうにちがいない。そこでだ。おれのおすすめはこうだ。まず、小岩から総武線で御茶ノ水って駅までいき、そこで、中央線の快速電車ってのに乗りかえる。特別快速なんてのもあるが、それでもいい。おれがしらべたところじゃあ、総武線と同じホームだ。その快速電車ってのは新宿も止まる。しかし、そこじゃおりずに、立川ってとこまでいくんだ。立川いきとか、高尾いきとか、青梅いきとか、いろんなのがあるが、たいていはその三つだ。そのうちのどれでもいいから乗って、立川までいって、ちょっと待ってりゃあ、同じホームに特急が入ってくる。小岩から立川まではおよそ一時間。特急は三十分おきくらいにくる。立川から甲府までは一時間ちょっとだ。なかには、もたついた特急もあるが、それだって一時間半はかからねえ。だからな。小岩から乗って、立川で三十分待って、しかも、もたついた特急に乗ったって、ぜんぶで三時間もかからねえんだ。運がよければ、二時間半以内だ。どうだ、これで。』

はっきし言って人間より、、

ねこの域を越えてるというよりは
もはやJRの駅員レベル


僕は人間ですけど、ちょっと自信ないかも

え~っと、、、
メモ取るから
もっかい教えてくれませんか?
イッパイアッテナさん


今作ではひさびさに
イッパイアッテナが大活躍でカッコいいのだ


嬉しいのは2020年発行の今作でも
御年89歳の
杉浦繁茂先生の挿し絵が健在って事で
(2024年現在は93歳)

そうなんだよな、、、
このシリーズは杉浦先生の絵じゃなきゃ
絶対に駄目なんだよな、、、、


小学生だった1980年代のあの日
風邪を引いて学校を休んで
NHK教育番組のテレビ絵本を
たまたま見たあの日

ブラウン管に現れた大きなトラねこと
小さな黒ねこは

今もまだ僕のヒーローだ






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