#1 どうせ泣くなら恋がいい:人生を照らす恋
本noteでは、癒されたい大人におすすめの少女漫画を感想と共に紹介しています。
今回は集英社のマーガレットで連載中の『どうせ泣くなら恋がいい』の感想を紹介します。
この作品は、私の好きな少女漫画ランキングの中で、ダントツトップの作品です!
まずは、あらすじから…
最高?最悪?な出会いをしたイケメン(早坂くん)と、何故かヒロイン(穂高ちゃん)が大好きなイケメン(渡辺くん)との三角関係のお話になります。結構王道感がありますね。
しかし、この作品の大きな魅力は、物語のスタート地点である、穂高ちゃんと早坂くんが出会った運命的な一日が、実は穂高ちゃんが不登校状態から立ち直って学校に行けるようになったという意味でも人生の分岐点となる1日だったというところだと思います。
作中では存外さらっと書かれている部分ですが、これを踏まえて読むと、穂高ちゃんにとっての早坂くんの存在の大きさを痛感できます…
←左が早坂湊(はやさかみなと)くん
穂高ちゃん曰く、宇宙のように優しいらしい
→右がヒロイン・橘穂高(たちばなほだか)ちゃん
芯の強い頑張り屋さん
↑当て馬?ポジの渡辺一清(わたなべいっせい)くん
とにかく真っ直ぐに、勇気を振り絞ってアピールしてくる(元)引きこもり
他にも、良き友達であり相談相手であるオタク(早×渡好きの腐女子)のキャンディちゃんと、女友達のいない女が板についているえなちゃん、クセが強いが愛情深い穂高ちゃんのお兄ちゃんなど、魅力的なキャラが登場します。
主要登場キャラクターたちは皆、痛みを知っているキャラクターであり、それ故に自分にとっての光である対象に重たすぎるほどの切実な思いを抱くところも、本作の魅力のひとつです。
さらに、透き通った涙のような美しい絵柄は、彼女らの純粋な想いを引き立てます。
また、本作は、いわゆる胸キュンする!というようなキラキラしたシーンはあまりないのですが、好きという感情の表現がリアルで、きゅんとします。
例えば、穂高ちゃんが、迷惑をかけたおわびにと早坂くんにプリンをあげようと準備するシーン。
たくさんの種類のプリンを買ってきたことから、お兄ちゃんに驚かれてしまいますが、穂高ちゃんはNo.1プリン決定戦を開くのだと説明します。
この描写からは、早坂くんに一番美味しいプリンをあげたくなっているという恋心のはじまりがじんわりと伝わってきます。
また、早坂くんが恋心を自覚しかけるシーンも、とても可愛いです。
半ば無意識に穂高ちゃんの手を無言でにぎりしめた際、穂高ちゃんに「大丈夫?」と問われてしまうのですが、早坂くんは上手く答えられず、「分かんない…」とうなだれてしまいます。
穂高ちゃんの好意に応えることはなかった早坂くんが、戸惑いながらも自身の気持ち見つめていく様子に惹き込まれます。
本作は、「全員一方通行の恋にもだえる」と銘打たれているように、皆いい子な中でも、少しずつ悪いところもあるからこそすれ違ったり、傷つけてしまったりする様子に切なくなる作品です。
しかし、人生に登場する他の問題の数々で追い込まれたりすることがある中で、恋にせよ友情にせよ、自分の心を占める想いや、誰かにかけられた温かい言葉は、人生を照らす大切な光だとも感じられる、優しい作品でもあります。
どうせ泣くなら恋がいい
そして、するなら君がいい
読み終わる頃には、この言葉が胸をそっと照らしてくれるはずです。
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