🎬赦し　感想

※600字です

殺人加害者の母親からの賠償金で酒に溺れて悲嘆にくれる被害者の父親・克。
気持ちはわかりますが、社会通念的には共感を持つことがむずかしい存在です。

父親・克と今の夫・直樹との関係も含め嘘と謎だらけの母・澄子。

むしろ、早い段階で殺人の動機がいじめであったことがわかっている被告女性に同情してしまいました。

しかし、彼女が直接克に伝えた心情や法廷で述べたことは本当の気持ちだったのか？

克の家族が彼女と彼女の母親にしたことを考えると、ラストの彼女の表情に底知れぬ闇を見た気持ちに…
拝金主義者のクズ弁護士を利用した彼女の"その後の復讐"を想像したのは私だけ？
歳を取ったせいか疑り深くなった自分がいます。

この映画の"赦し"とは、殺人の被害者家族が加害者を赦すか？ではなく、殺人にまで至ったいじめをされた加害者とその加害者の母を自殺にまで追い込んだ被害者家族を、加害者女性が赦せるか？いや、絶対に赦せない…の意味に思えました。

裁判所の帰り、十字架に見える道を歩いていく克と澄子が無意識に背負っている罪の十字架の重さを感じました。

ただ、最初の裁判でなぜここまで情状酌量の要素となるいじめの事実が明かされなかったのか？は疑問でした。
偏向的な裁判長のことがさかんに言われていましたが、全体的には多少のツッコミどころを感じました。

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