🎬FALL/フォール　感想

人里離れた砂漠の真ん中にそびえ立つ地上600メートルの古びたテレビ塔。
クライミングで夫を失い酒浸りになっていたベッキーを友人のハンターは、そのテレビ塔の頂上に登る動画をサイトに投稿する目的で誘う。
何とか頂上に着いた二人だったが、唯一降りる手段だったハシゴが崩落、直径1メートル程度の頂上部に取り残されてしまう。
二人の決死のサバイバルが始まる。

とにかくハラハラドキドキ系の映画としては期待以上だった。
東京スカイツリー並みの高さの狭い頂上部で食糧もなくスマホも圏外、まともに眠ることもできない二人は脱出のためにあがくのだが、打つ手は次々に失敗。
とにかく緊張感の連続で二人から目が離せない。

途中愛憎関係など描かれる部分もあるのだが、あまりのスリルに全く入ってこない。

とにかく足場も何もない、のっぺらぼうのテレビ塔でどう生き延び脱出するかだけで2時間もたせるシンプルで刺激的な展開は、近年まれに見るほどのサスペンス。心臓によくない展開の連続に観たことを後悔しながら、完全に没入した。

そもそも動画サイトでバズりたいという、今どきと言えば今どきの動機で危険なテレビ塔に登ろうとするハンターには呆れるしかなかった。

「人生とは…」みたいな教訓が何度か語られるシーンもあるがこれまた全く入って来ず、「危険な場所には近づいてはいけない」という教訓だけが強く心に残る。

高所恐怖症の人や心臓の弱い人にはストレスフルなだけの映画かもしれないが、シンプル設計ゆえにスリリング過ぎる展開に久しぶりに完全没入できた掘り出しモノ映画。
観終わった後の疲労感もハンパないが、とにかくハラハラドキドキしたい人には騙されたと思って観ていただきたい1本です。

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