🎬バイオレント・ナイト 感想
クリスマスイブ。子どもたちはすでにサンタクロースなど信じず物欲主義になり、サンタに替わってプレゼントを届けるのはAで始まる通販サイトのダンボール箱。(本作配信もそこですが)
現実に嫌気がさした本物のサンタクロースは、自信を失いクリスマスイブにプレゼントを届ける仕事も飲んだくれていい加減に。
そんなサンタがたまたま訪れた富豪の屋敷を謎の武装集団が襲撃。
当初逃げ腰のサンタだったが、サンタクロースの存在を信じ1年間いい子でいた純真な少女と交流していくうちに、彼女と家族を守るため武装集団と血みどろの闘いを繰り広げる。
完全にクリスマス映画の定番『ダイ・ハード』をオマージュした映画で、『ダイ・ハード』1・2の設定や名場面が数多く登場する。
作り手の『ダイ・ハード』愛の強さに、同じく『ダイ・ハード』1・2を愛してやまない自分は胸熱の連続。
"サンタクロースが武装集団と闘う"と聞いてファンタジー要素強めかと思っていたら、ガチの血みどろアクション映画でビックリ。
サンタの魔法は煙突から入るくらいしかなくほぼ生身で、ジョン・マクレーン並みにボロボロになりながらも少女のために必死に闘う姿は本家を彷彿とさせる熱さがある。
また賢い少女が悪人をやっつけるシーンは『ホーム・アローン』オマージュなのだが、かなり本家より残酷にやっつける。
しかし全編が単に過去作オマージュの作品ではなく、オリジナルとしてサンタにも1,000年ほど前の過去の忌まわしいドラマがあったり、妻との愛を匂わせるシーンもあり、サンタの人間ドラマとして味わい深い描写も十分ある。
ある啓示から過去の自分を取り戻し、悪人を容赦なくやっつけていくサンタは爽快。
サンタクロースの『ダイ・ハード』という、聞いただけだとナンジャラホイ?な設定なのだが、サンタクロースを信じてくれる少女とサンタの温かい心の交流とサンタクロース自身の再生を描いた心に響く映画に仕上がっているのは不思議を通り越して見事。
『ダイ・ハード』風味をうまく調理しサンタクロースが悪人をやっつけまくる痛快バイオレンス・アクションでありながら、ところどころでちゃんと泣かせる要素もしっかりブチ込み、サンタクロースを信じるというファンタジー要素もうまくまとめたクリスマスイブの新定番の快作降臨。
冒頭、イギリスのパブのシーンは笑えた。
悪い子リストに載らないように気をつけないと、サンタクロースにやられてしまうのだ。
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