🎬ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い 感想
結婚を控えた新郎のダグは親友のフィル、スチュに花嫁の弟アランを加えた悪友4人でラスベガスに独身最後の思い出づくりに。
しかしそこで待っていたのは、完全に前夜の記憶を失うほどの泥酔と二日酔い、そして新郎ダグの失踪だった。
結婚式に間に合わせるため友だちのバカ男3人組が新郎を探すサスペンスフルな冒険物語。
おバカな男友だちたちのバチェラーパーティー(結婚の前祝い)。多少ハメを外すつもりが記憶をなくすほど泥酔し、二日酔いの朝を迎えるとそこには信じられない光景が。
前夜の記憶がないため、どれだけ自分たちがバカをしでかしたのかが次々と明らかになり、それに驚きながらも失踪してしまった新郎のダグを何とか結婚式に間に合わせるため探しまわる3人が一生懸命ゆえ笑えてしまう。
一つひとつのバカのスケールが大きすぎて笑うしかない。
また下品な下ネタも次々飛び出しバカさ加減を増幅していく。
映画としては、記憶をなくした朝から始まり、ちょっとしたヒントから前夜の自分たちの足取りを追う構成はなかなかおもしろい。
見ず知らずの赤ちゃんに謎のチャイニーズ・マフィア、虎まで現れるのだが、バラバラのパズルのピースが解き明かされていくストーリーにはスリルがある。
この上なく大バカの連続であきれる一歩手前が続くのだが、結婚で家庭に入ってツルめなくなる男友だちたちのちょっとした寂しさが全編にあふれていて、観終わってみれば一人ひとりのキャラが限りなく愛おしくなっていた。
監督のトッド・フィリップスが『ジョーカー』の監督ということには驚き。
この映画の躁状態の笑いと『ジョーカー』の鬱で皮肉な"笑い"の振り幅の大きさが、その紙一重加減を微妙に考えさせる。
いずれにしても本作は、泥酔した二日酔いの恐怖(?)と結婚する友だちたちのセンチメンタルな感情にちょっとだけ心を揺さぶられるヘンテコだが結果ハートフルな快作。
突然現れるチャウの衝撃には爆笑。
"あの"大物が本人役で楽しそうに出てくるのもサプライズとしてはおもしろかった。