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🎬パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女 感想
天才的ドライビングテクニックを持つチャン・ウナは、ワケあり荷物を届ける特殊配送会社「特送(とくそう)」で働くドライバー。
請け負った仕事の行き違いから、賭博ブローカーの父を殺された子どもソウォンを助けることになったウナ。二人の決死の逃避行が始まる。
ハードボイルドな女性主人公と子どもの逃避行といえば『グロリア』を連想させるが、本作でも当初子ども嫌いなウナがソウォンと少しずつ心を通わせていく過程が、執拗に迫る追手からの逃避行とともにバランスよくやさしく描かれている。
『パラサイト 半地下の家族』で半地下の家族の長女役を演じたパク・ソダムが、素っ気なくクールで荒っぽいが、心の奥にやさしさを秘めたウナをカッコよく演じていて痛快。
子どもに少しずつ寄り添っていくソダムの演技には説得力があり、バディものとして十分感情移入できた。
二人を執拗に追い続ける悪役ギョルピンの、ふざけた雰囲気を醸し出しながら残酷なことを平気でする人でなしぶりが悪役として印象に残る。
その他脇役たちも味わいがあり、工場の社長はウナの過去との関わりなどハッキリとは描かれないのだが、彼とウナの関係性がしっかり匂わされている展開にも十分納得できた。
欲を言えば、ウナが"天才的ドライバー"であるという設定でありながら、ドライビングシーンが序盤と中盤のみでやや淡白な感は否めず、もう少しカーチェイスシーンが核心部分の局面で活かされていたら、また違ったおもしろさがあったかもしれない。
カーチェイスシーン自体に迫力があったので、もう少し見たかったかな?
とはいえコンパクトな作りながら、展開や人物描写はハリウッドレベルに手が届きそうな印象を受ける作品で、女性と子どもの逃避行というやや使い古された設定をパク・ソダムの個性で十分おもしろい映画に仕上げているのはお見事です。
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