じこせきにん
家族旅行をしてきた。3世代で2泊3日の旅。場所は静岡県伊豆市。家族皆が疲れすぎてしまわず、かつ退屈にもならないような旅の行程を組んだ。お盆の時期ではないとはいえ、道路の混雑状況がどのくらいのものなのか、実際に行ってみないとわからない。グーグルマップを見つめ、渋滞があった場合は目的地到着までプラス30分はかかるかな、などと考え、時間に余裕をもたせたスケジュールにした。
入念な下調べとイメージトレーニングが功を奏し、全体的に満足度の高い旅となった。ひとり旅やふたり旅なら、宿だけおさえてあとは行き当たりばったりで、でもいいのだろうが、3人以上の旅ならば、事前に詳細も決めておいてしまった方が無難だ。各々の意見がわかれて、まとまらなくなる可能性があるから。
満足度の高い旅とはいえ、ちょっとしたハプニングはあった。夫はサングラスをそば屋に忘れ、私はスイミングキャップを女性更衣室に忘れ、長男はキッズケータイを、とある施設内のアイス屋に忘れ、次男はぬいぐるみを、とある施設内のキッズルームに忘れた。
夫はそば屋を出発してすぐ、サングラスを店のテーブルに置いたままにしてしまったことに気がつき、車をUターンさせてそば屋へ戻り、サングラスを回収した。私はスイミングキャップを、ホテル内の女性更衣室に落としたまま部屋にもどってしまい、その後ホテルのフロントで、届けられていたスイミングキャップを回収した。
次男は2日目の夜に、自分がこの旅に連れてきたぬいぐるみがないことに気がついた。車の中に置いてきたんじゃないの、と私は言ったが、この日最後に車に乗ったとき、次男はぬいぐるみを手に持っていなかったような気もした。実際、自分のスマホ内の写真を確認してみたら、ぬいぐるみが写っている写真と、写っていない写真があった。ぬいぐるみを失くしたのはこのタイミングだな、と私は思った。
長男は、最終日の朝、自分のキッズケータイが見つからずに怒っていた。なんで、昨日はあったんだよ、とイラついていた。キッズケータイはマナーモードになっていたため、私たちがキッズケータイに電話をして、その着信音で探すことはできなかった。そうこうしていると、長男のキッズケータイから夫のスマホへ電話がかかってきた。電話の主は、前日に訪れた施設からだった。夫は電話の主に、キッズケータイだけでなく、青いぬいぐるみもそちらのキッズルームに置き忘れてしまった可能性があります、と伝え、電話を切った。
チェックアウトを済ませ、忘れ物を取りに皆でその施設へ向かった。施設の従業員の方が、キッズルームで青いぬいぐるみを見つけてくださっていた。キッズケータイは、アイス屋のテーブルに置いてあった、という話だった。
1人1個ずつ、自分の持ち物を一時紛失し、全て取り戻した。スイミングキャップを一時失くした自分の不注意はさておき、私は自分が少し、子離れをしていることに気がついた。これまでは、どちらかと言えば私は、転ばぬ先の杖スタイルで我が子と関わってきた。旅行のときの我が子の持ち物もだいたい把握していたように思う。しかし、今回一時紛失したキッズケータイと青いぬいぐるみは、私の管理下には置かれていなかった。移動の際、キッズケータイは持ったの?ぬいぐるみは持ったの?といった声掛けもしていなかった。
これでいいのだ。自分の持ち物は、各々が自分で管理をする。紛失してしまったとしても、それはお母さんのせいではないわ。自己責任というものよ。
なんて、偉そうなことを言っていられるのは今だけかもしれない。この先、自分の忘れ物が増えて、お母さんしっかりしてよと、我が子に言われる日だって来るかもしれない。そんな日の訪れは、できるだけ遠ざけたい。40代に突入しているのだし、脳トレもやっておいた方がいいのかもしれない。
文章を考えるこの作業が、脳の活性化につながっているといいのだけれど。
![](https://assets.st-note.com/img/1722843955017-PdCzWJIGIh.jpg?width=1200)