【読報】鼻/芥川龍之介【昨今のルッキズム】
あなたに+α、U+α(ウタ)です。
独断と偏見の読書報告!
略して読報!!!!
今回は芥川龍之介の「鼻」
この物語を通して
現代のルッキズムと合わせて報告させていただきます。
↑文庫本(表紙が主人公のイメージのまま)
↑青空文庫(無料で読めます)
1.主人公とあらすじ
禅智 内供(ぜんち ないぐ)という50歳過ぎの僧侶が主人公。
※以下、内供と表記
この内供、
人と変わったところがあり
この物語のタイトルにもなった
「鼻」
なんと鼻が五~六寸あり、下に垂れている。
まあ長い。
顎の下まで垂れている。
天狗みたいに上に伸びているわけではない。
内供はこの鼻をどう思っているか。
すごくコンプレックスを持っている。
2.華々しくない鼻
この鼻をよく思っていない理由が2つある。
①不便
飯食うときに邪魔である。
鼻が長すぎて茶碗に入ってしまう。
ゾウならば鼻を使って器用に食べるのだが・・・なにぶん”僧”ですから
弟子に板で鼻を持ち上げてもらわないと
食事すらままならない。
②自尊心が傷つけられる
これが主な理由。
「あの鼻の人と結婚する人いるぅ~?」
「あ、だから出家したんだ!!」
痛烈な容姿いじりを越えて
これ、現代なら写真撮ってSNS上げたら
炎上案件です。
心無い言葉です。
物理的にも精神的にも
「鼻」のせいでおっくうに。
3.ハナっから諦めたわけではない
ボロクソ誹謗中傷されるわけですよ。
醜い老人扱い。
陰でクスクス笑われる。
コメディタッチというか
笑い話っぽく書かれてますが
冷静に書き起こすとひどい。
それでもめげないんですね、内供。
色々と工夫をします。
元凶は「鼻」だ、こいつをどうにかしようって。
消極的編
①実際より短く見せる
②同じような鼻の人を探す
③歴史上の人物から同じ鼻の人を探す
積極的編
①烏瓜を煎じて飲む
②ネズミの尿を鼻に擦り付ける
③弟子に聞いた方法を試す
4.これで鼻高々・・・
その方法とは!!!!!
まず、鼻を茹でます・・・・
もう、ここでおかしいんですよ。
まあなんやかんやあるんです。
すごいシュールです。
ここは笑っちゃいました。
実際に読んで確認した方がいいです。
これはネタバレしません。きみの目で確かめてみてくれ
上唇の上までの長さに
鼻が短くなったんですが
他人に顔を見られて
今まで以上に笑われる!!!!
最初は
『顔が急に変わったからかな』くらいだったんですが
陰でクスクスどころではなくて
大ぴらに爆笑される。
人の顔見て笑うのもどうかと・・・。
だんだん不機嫌になって弟子にも当たり散らすように。
ある日のこと。
なんと
突然
鼻の長さが元に戻ります。
えええええええ
でも、あんだけ憎かった長い鼻ですが
「これでもう笑うものはいない」と
心の中でつぶやきます。
これで終わりです。
えええええええええ
5.ハナシをまとめると
この内供は
「見た目が変われば満たされる」と
思っていました。
そのために努力をしてきました。
ついに念願叶います。
しかし、ふたを開けてみると
「満たさせるどころか余計に状況は悪化」
結局ね、
目標基準を「周りの評価」
にしてしまうと
「周りの評価」という
自分ではどうにもできないものに
左右されるんです。
例えば
恋愛なら
「あの人を振り向かせるために頑張る」
「そのために美容もやってダイエットもしてオシャレになって」
でも、頑張っても振り向いてくれるとは
限らないじゃないですか。
いろいろやったけど
「評価」が変わらないと嘆いても
「そんなこと頼んでませんけど」
と言われたらその通り。
一つの「きっかけ」として
原動力になるならいいと思いますが。
せっかく
何か目標を立てるならば
「自分」がどうあるべきか。
ぶっちゃけ周りがどう思ってようが
自分がいいならそれでよし。
自己満足でいいじゃないですか。
最後までご視聴ありがとうございました。
P.S.
↑煎じて飲めるんですかね???
ぜんそく薬や利尿薬、催乳薬として効くらしいです。
これをネズミにも飲ませた・・とか。
※民間療法は怖いので専門家に相談されてください。
↑↑これ実際に使ってました。(2年くらい)
形は整ったような気がします。