灼熱地獄のアブダビで死にかけた話
日本の夏は油断していると暑さで死にかけるが、アブダビでは油断しなくても死に直面する。
今回は前回のベネルクス3国に引き続き、留学から帰る途中でアブダビに立ち寄った際のお話。
アブダビについて
アブダビはアラブ首長国連邦(UAE)を構成する首長国で、アブダビ市はUAEの首都となっている。
UAEと言えばドバイが有名だが、連邦の面積の80%はアブダビが占めており経済規模もアブダビが圧倒的に大きい。
( Wikipedia より引用)
とはいえアブダビの経済は石油依存の割合が多い上ドバイは実質的な都市国家であるため、都市の発展具合でみるとドバイの方が栄えてる感は強い。
いざアブダビへ!
日が沈む頃にアムステルダムを離陸した飛行機は翌朝にアブダビに着陸した。
アブダビでは飛行機を乗り換えるだけなのだが、6時頃に到着して乗り継ぎ便は22時発のため、出入国手続きを考えても半日以上アブダビ市内をトランジット観光できるというわけだ。
空港でキャッシングしディルハムを入手。どうせUAEはキャッシュレス社会だろうから最低限の現金だけ出した。
ちなみにSIMカードは1日だけということもあり買わなかった。
ハフィラットカードというチャージ式の交通カードを購入してバスに乗車。運賃はかなり安い。
アブダビ市内へ
高速道路をのんびりのんびり走って市内へ。
アブダビは近代的な建物が立ち並ぶコンクリートジャングルだった。
今までのヨーロッパは石造りの歴史的建造物が多かったので逆に新鮮かも。
……と思ったらビルの隣にモスクが平然とあるのも面白い。
これはすごい街並み!
こんな感じの謎オブジェクトがあるのもよき。
しかし都市規模の割には通りを歩いている人がやたら少ない気がする。
ペルシャ湾を望む。
近くにビーチがあるらしいので海岸沿いに歩いて行ってみる。
そして到着。
閑古鳥鳴きまくりである。
冷静に考えると当たり前の話で、そもそも気温高すぎてのんきに海水浴なんてしていたらぶっ倒れてしまうわけだ。
外を歩いている人がほとんどいないのも同様の理由。この気温ではまともに外も歩けない。しかも6月の時点で↓これだから8月はもっと灼熱地獄。
( https://tenki.jp/world/3/42/41216/ より引用)
普通に街歩きするだけでHPがゴリゴリ減っていく毒の沼を歩いてる感覚が体験できた。5分くらい歩いたら休憩しないと体力が持たないし、出来る限り日陰を歩かないと体が表面から蒸発していく。
ショッピングモールに避難。
屋内なら人がいるかと思ったが誰もいない……。きれいに掃除されて営業しているのに客が全くいない状況はゲームの世界に迷い込んだ感があって面白かった。
それにしても人がいないとゴーストタウン感が強い。首都なのにローカルな雰囲気がバリバリ漂っている。
アブダビ文化遺産村へ
観光スポットのアブダビ文化遺産村を目指す。近くのマリーナ・モールまではバスが出てるがそこからはトボトボ歩かなければならない。
……いや、日陰一切なしとか余裕で死ねるわこれ。
走馬灯が半分顔を覗かせていたが、タオルを頭に巻くアラブ人スタイルでどうにか直射日光に耐え到着。
入場料は無料だ。
アブダビ文化遺産村では近代化される前のアブダビの伝統的な生活様式や建築物を見ることができる。
この地域はかなり昔から人が住んでいたらしいが、原油が見つかるまでは近代化の波からは取り残されていたわけだ。
生でラクダ見たのは初めてかも。というかラクダも暑さでぐったりしてる。
謎オブジェ。
そこはかとなく漂うはにわ感。
冷水機があった!命の恩人である。
対岸はアブダビ市内。市内の高層ビル群との対比が退廃的でなんかいい雰囲気。
そんなこんなで次のスポットへ行きたいのだが、直射日光に晒されながら来た道を歩いて戻るのは辛い。
というわけで贅沢にタクシーを利用。産油国ということもありタクシーの運賃はかなり安い。一人旅だとどうしても割高感は否めないが仕方なし。
エミレーツ・パレスへ
観光スポットその2。エミレーツ・パレスに突撃する。
エミレーツ・パレスは5つ星ホテルというとんでもなくボッタクリ……ではなく豪華な宿泊施設なのだが、宿泊客だけでなく一般人にもロビーなどが開放されている。
一応ドレスコードがあるので注意が必要。
中は観光客がそこそこいて賑わっていた。
たまに宿泊客と思われるガチセレブっぽい人を見かけた。黒服のSPがわらわら歩いていて怖い。
それにしてもめちゃくちゃ広い。私には一生縁がなさそうな世界だ。
外に出てみると目の前には超高層ビル群。エティハドタワーズという高級ホテル群らしい。セレブリティの過剰摂取である。
遠くにどでかい大統領官邸が見えた。こちらも観光スポットらしいがリサーチ不足により行けなかった。
あとルーブル・アブダビ美術館という観光スポットも月曜休館により行きそこねてしまった。
ちなみに市内のバスはこんな感じだ。均一料金でかなり安く長距離を走ってくれるため、のんびりバスで景色を眺めながら涼むことにした。
シェイク・ザイード・グランド・モスクへ
そして最後の観光スポット。グランド・モスクへ!
ちなみにザイードなのかザーイドなのかは表記ゆれがあるようだ。
英語の”Zayed”はザイードに近いが、アラビア語の” زايد”はザーイドに近い発音である。
こんな感じの入り口から地下を通って中に入る。
ちなみにこちらも入場料は無料だった。
正面からパノラマ撮影。
大理石による白を基調とした建築物だ。
清掃も徹底して行われており、床はピッカピカ。
仏教やキリスト教と違いイスラム教は厳しくモスクに異教徒が入ることは基本的に禁止されているため、ここまで中に入れるのは貴重だ。
メインホールの中はこんな感じ。とても幻想的で美しい!
一通り歩いて回って終わり。観光客もそこそこいたがかなり快適に観光できた。
空港へ
時間的には少し早いのだが空港へ戻る。
事前に落としておいたバス路線図ではモスクから空港に行く路線がなかったため、タクシーをつかまえて高速道路をぶっ飛ばしてもらった。
しかしながら手持ちの現金がショートしてしまい、途中のATMで急遽追加キャッシング。なんとアブダビは意外にもキャッシュレス化はあまり進んでおらず、割と現金を使う機会が多かった。
大統領官邸に行きそこねたのと同様、完全にリサーチ不足である。
リサーチ不足と言えばアブダビの気候に関しても完全に想定外で、夏にこんなに暑くなるとは思っていなかったのに加え、そもそもアブダビは常夏の国だと勘違いしていた。
実際のところアブダビは普通に四季があるため冬はそこそこ快適な気候になるのだが、夏は外をのんびり歩くのが不可能であるほどの地獄で、ショッピングモールにすら出かける人のいない完全オフシーズンなのだ。
とはいえオフシーズンゆえの観光客の少なさもあっただろうし、首都なのに人が全然いないローカル感を味わえたのは良かった。
また、全くリサーチを入れてない訳ではなく、アブダビ空港には無料で使えるシャワーがあるという超有益な情報をキャッチしていた。
ただし具体的な場所までは知らなかったためかなり歩き回ってしまった。35番ゲートの横にひっそりと下へ降りる階段がある。
私の前に2人ほど並んでいたが回転はそこそこ速く、十数分ほどで浴びれた。とはいえ混む可能性もあるため時間には余裕を持ちたい。
あとアメニティとかも一切ないため自分で用意する必要がある。
おわりに
そんなわけで、情報不足により死にかけたり、逆にシャワーにありつけたりと情報の重要性を再認識させられる旅となった。オフシーズン観光は人が少なく快適だが、正直死にかねないため完全武装で臨むようにすべし。
そして乗り継ぎ先の飛行機に搭乗。行き先は……
東京!
というか22時ジャストに東京、ソウル、チェンナイ、ムンバイ行きが同時に出発するってとんでもないなこの空港。5分後にも香港行きが飛び立つみたいだし。
……といったところで今回はここまで。次回は東京編!
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