鉄オタ就活生、JR東海のインターンに参加する
M1 の夏、就活ガチ勢だった私は随所で開催されている夏インターンに参加しまくっていた。その中の1つとして、三島で開催されていた JR 東海のインターンに参加したときの旅行記。就活記成分はだいぶ薄いが、最後にちょこっとメモを残したため就活情報をお探しの方はそちらへ。
なお、夏インターン全体に関する就活記は以下に書いたため気になる方は参照してほしい。
インターンにエントリー!
インターンは基本的にエントリーシートの提出、学力試験、面接などを突破して参加する形になる。外資系やメガベンチャーなど早期から募集をかけるような企業は実質的な本選考の一部となっているケースも多く、インターンの参加難易度も高い。その一方で日系大手企業は選考の分量が少なく時期もちょっと遅め。そもそも夏インターンを実施しない企業も多い。
JR 東海も例に漏れず遅く、エントリーの開始時期にはすでに他社夏インターンの予定がガッツリ入っていた。しかしながら夏の間にかなり多くの日程で開催されていることもあり、どうにか都合のつく日程をいくつか選択してエントリーした……のは良いのだが、偶然にも全て開催場所が三島の日程となってしまう。なお、三島以外には品川と新大阪で開催されていた。
で、8月の頭に選考結果が知らされる。この時もインターンに絶賛参加中で、ちょうどチームメンバーの1人に JR 東海を受けている人がおり2人同時にメール開封することに。幸いにも2人とも受かっており微妙な空気にならずグループワークを続行することができたが、けっこうリスキーな儀式をしてしまったな……。
どうやって三島まで行く?
で、問題となってくるのが移動手段。JR 東海のインターンやイベントは開催場所と大学の立地に応じて固定額が支払われる仕組みらしく、特に移動手段は指定されていなかった。まあ常識的に考えたら新幹線一択なんだが、鉄オタとしてはもう少し捻りを入れたいところ。
バスで箱根を突っ切って「JR 東海を一切使わずに JR 東海のインターンに参加する旅程」などを考えつくが、流石にお金がぶっ飛ぶのでパス。で、この件について鉄オタ仲間に相談したところ「特急ふじさんに乗って御殿場線回りで沼津まで行ってみるのはどうだろう?」と提案された。ふじさん乗ったことないし、良さそう!ということでこの案をベースに組んでみることにした。
ちなみに特急ふじさんとは小田急新宿から JR 東海の御殿場までを結ぶ特急で、かつては「あさぎり」という名前で運行していた。本数は1日3往復とかなり少ないのに加え、JR 東海に私鉄特急が乗り入れるという唯一無二の特徴を持つかなりレアな列車である。使用車両は小田急の MSE で JR 東海の車両は使われていない。あさぎり時代は JR 東海の専用車 371 系も運行に入っていたのだが……。
で、前述の通り運行本数が少ないため旅程の制約はかなり大きい。今回、3本中2本目の新宿 10 時台発の列車ではインターンの開始時刻に間に合わないため、仕方なく1本目の新宿6時台発の列車を選択。なお、この列車は下りの特急全体で見ても始発列車である。問題となってくるのが起床時間で、この列車に合わせるには朝5時半に家を出なければならない。とはいえ私は朝型人間であるため、まあ問題ないだろうと旅程を確定させた。
三島に向けて出発
そんなこんなで出発前日。夜まで用事があり就寝が 23 時台となってしまったが、起床時間は動かせないためなくなくタイマーを4時半にセットして就寝。( ˘ω˘ )スヤァ……
。
。。
。。。
( ゚д゚)ハッ!なんと、タイマー発動前に自然と目覚める。それにしては外が明るいな……と時間を確認すると、
5時18分。
ギャ────∑(゚Д゚; )────ァァッ!!
完全に寝坊してしまったあああああ!!!いやこの時刻で寝坊とかわけわからん旅程を組んだのが悪いのだが、とにかく大急ぎで着替えて顔だけ洗ってアメニティ関連は荷物にぶちこんで GO!!なんと 12 分で支度を終え予定通りの時間に家を出ることができた。たぶん RTA 自己最速記録。
早朝の新宿駅
で、6:20 頃に小田急新宿へ到着。大急ぎで来てしまったがもう1本遅い便に乗っても余裕で間に合ってたな……。事前に予約していた特急券を発券し、しばらく待機。
発車時刻が近づいてきたところでようやく列車入場。回送されてきたため清掃の待機時間などはなかったはず。
車内の様子としては、窓側席がだいたい 6-7 割程度埋まっている状況。前述の通り下り特急の始発ということもあり、小田急線内だけでの利用がそれなりに多い印象だった。また、1人での利用が多くグループ客はほとんど見かけなかった。まあ「家族で御殿場のアウトレット行こう!」となっても普通はクルマで行くだろうし、ハイキングとかそのあたりの需要を拾う感じなのだろう。
連絡線へ
事前に調達しておいた朝食を食べ終え、車内の洗面所で歯磨きやら洗顔やらを終わらせたあたりで小田急と JR 東海の連絡線が近づいていくる。なお洗面所は使う前よりもキレイな状態にした。えらい。
連絡線は小田急線と御殿場線が交差する新松田・松田駅付近にあり、小田急線からは上り線からガタゴトと転線して入っていく。
なお、この連絡線にはかなりの低速で侵入することになる。その理由としては、上記のスクショを見るとわかるがカーブの外側へ転線していることが大きい。「カーブの外にいくなら遠心力的に有利なのでは?」と思うかもしれないが、本線用にカントが付いている関係で車体はカーブの内側に傾いた状態になっているのだ。この状態から外側へ転線する場合はいわゆる逆カントとなり、車体バランスとしては大変厳しい条件となっている。
で、松田駅に到着したところで私は下車。特急ふじさんを利用する際には小田急新宿~新松田の特急券・乗車券で松田まで乗車可能であり、JR 東海の運賃は発生しない。
JR 東海の駅に小田急特急がいるというのはなかなか不思議な光景だ。
伊豆箱根鉄道乗りつぶし
で、ここからさらに三島へ向かうわけだがそのままでは芸が無い。そんなわけで今まで乗ったことのない伊豆箱根鉄道を乗り潰すことにした。まずは松田駅から大雄山線の終点である大雄山駅までバスでワープ。伊豆箱根鉄道は西武グループということもあり、バスはかつてのライオンズカラー。
私は来た道を帰りたくない原理主義者であるため、今回のように鉄道以外の交通手段でうまくワープして盲腸線を乗り潰せると大変嬉しい。なお、バスターミナルの名前は大雄山ではなく関本であるため一応注意しておきたい。
駅舎は The 地方私鉄の終着駅といった感じだが、周りは商業施設も多くそれなりに賑わっていた。大雄山線の利用客もそこそこいるっぽい。
駅構内にはやたら古そうな車両が留置されていた。元々は戦前生まれの車両で、なんと現在も作業用車両として使われているらしい。
折り返し小田原行きが入場。日中でも 15 分間隔ということでそれなりに便利。
小田原で JR に乗り換えてさらに西へ進む。なお、JR 東と JR 東海をまたがっての利用となるため IC カードが使用できない点に注意が必要だ。クレカで発券したい場合は指定席券売機へ行けば良い。
熱海でさらに乗り換え。熱海は一大観光地であるものの在来線の利用客はほとんどが地元民といった感じ……と思っていたら、外国人観光客が迷い込んでくる。ドア付近にいた中学生(高校生かも?)に道を訪ねているようだが、英語が通じず困っている様子。
これはヘルプ入ったほうが良さそうだな……と思っていると、私よりも早く事態を察知したおじさんが対応に入った。これで一件落着……と思ったが、おそらく誤案内になっていたと思われる。私が座っていた席から距離があったため聞こえた内容は正確でないかもしれないが、観光客は来宮へ行こうとしていたのに対し東京方面の列車を案内していた気がする。
「いかんいかん!乗るのは伊豆急方面の列車な。というか来宮駅から向かう目的地によっては熱海駅から徒歩移動でいいかもしれんぞ。」と伝えようと思ったのだが、私が席を立つ前に車両を出ていってしまった……。正直、自分のあまりの行動力のなさに絶望。
私は地元民ではないが地理の知識はあったし、道案内くらいはできる英語力も有していた。しかし、肝心の行動力が足りなかった。普段から「ノブレス・オブリージュwww」とか偉そうにほざき、就活でも「人や社会の役に立ちたい!」などと主張しているのに、目の前の困っている人を助けることができなかった。知識や能力があっても行動に移せなければ意味がないというのに。
正直、今すぐこの性格を直すのは難しいだろう。しかし、少しずつ、あと一歩を踏み出す勇気を身に着けていきたい。とりあえず、もし次に同じシチュエーションに遭遇したら必ずヘルプしようと誓った。
そんなこんなで三島に到着。
で、今度は駿豆(すんず)線に乗車。こちらも 15 分程度の間隔で運行されており、利便性はそこそこ。一部の特急踊り子が乗り入れるなど観光路線としての面も持つ。
終点まで全線を往復する場合は1日乗車券でも値段が変わらないため買ってみた。期間限定で牛乳パッケージをモチーフにした乗車券となっていた。
駿豆線で面白いのが、三島を出てすぐの大カーブ。まるでぐるっと一周してしまうのでは?と思うくらい延々とカーブが続く。
「なんでこんな効率の悪い形で敷設したのよ」と文句を言いたくなるかもしれないが、これには歴史的背景がある。最初期の東海道線は現在の御殿場線経由で敷設されており、現在の下土狩駅が三島駅としての機能を担っていた。そのため駿豆線も下土狩から発着していたのだが、現在の東海道線ルートが開通すると三島駅もお引越しとなり、駿豆線も無理やり乗り入れる形となったわけだ。
ただ、申し訳ないがこの大カーブ以外にはこれと言った沿線の魅力がない。全体的に宅地化が進んでおり、終点の方まで行ってようやく田園風景が見られるような感じ。
で、終点の修善寺に到着。
駅の近くに修善寺があるのかと思っていたが、観光の中心地はバスで少し移動したところになるらしい。また、地名は修善寺だが寺院の名前は修禅寺となる。
そんなわけで、駅周辺をちょこっとだけ散策して折り返しの電車で戻る。
三島に戻ったあとはお昼を食べてからインターンに参加。
インターン参加
実はこのインターンは2日間のプログラムとなっており、1日目は現地で座学と施設見学、2日目にチームでグループワークといった感じだ。私は情報系専攻のため電気・システム系統でエントリーしており、施設見学もそれに関連するものだった。
なお、他の参加者も含め鉄オタっぽい人はいなかった。まあわざわざカミングアウトしたところで何の得にもならないだろう。正直なところ施設見学での説明は知っている知識も多かったが、「車輪とレールは鉄同士で摩擦が小さいので制動距離長そうですね~」とか「フェイルセーフの考え方から踏切は遮断状態が OFF だと思います」とか、さもその場で考えたかのような発言をして無駄に積極さをアピールしていた。
プログラムの中で社員さんとの座談会もあったが、やはり鉄道好きというよりは旅行好きの社員さんばかりだった。系統によっても属性が多少異なるようで、電気・システム系はやや大人しめ、車両・機械系は体育会系が多いらしい。
帰宅
で、プログラムが終了したら解散。翌日は朝からリモートでグループワークとなるため、普通に新幹線で帰ることに。
ちなみに三島駅の新幹線ホームは島式一面となっており、相対式ホームが基本の新幹線ホームとしては唯一無二の構造である。
インターンの感想
最後に就活記っぽい内容を書いておく。まず結論としてインターン参加の満足度は高かった。
前述の通り、1日目の施設見学会はすでに知っている内容も多かったが初耳学の知識もあったし、なにより実際の施設を見ながら学べたのは大変貴重な体験になった。社員さんとの座談会でもいろいろと質問に答えていただき、キャリアに対する理解を深めることができた。正直に言ってしまうと「ゴリゴリの JTC すぎて私には合わないな……」と思ったのだが、自分に合わない会社を見つけるのも就活としては大変有益だろう。
2日目のグループワークに関しても学びがあった。参加者が就活に不慣れな理系ばかりということもありワーク自体の難易度はやや低めで、基本的なフレームワークに則った議論で良い感じに仕上げることができた。特に文系就活に慣れていないメンバーをフォローしながら進めていったのが良い経験になった。
そんなわけで満足度の高いインターンだったが、JR 東海の本選考にエントリーしよう!とはならなかった。参加後1ヶ月くらいで突然電話をいただきメンターが1人付いたが、志望度が高くない旨を正直に伝えるとそれ以降連絡は来なくなった。本選考で受かりたい人は本気で志望している熱意を見せる必要がありそうだ。
なお、少々嫌な話になってしまうが JR 東海の選考では学歴がわりと重要になってくると思われる(ロンダか否かは関係なし)。夏インターンの ES は分量もやたら少なく「これで一体何を見て合否を決めるのだろう」と思っていたのだが、参加者の属性を見る限り学歴だろう。目安としては早慶~旧帝あたりの理系院生であれば基本的に問題ないと思われる。
おわりに
そんなこんなで、旅行記8割・就活記2割くらいで誰をターゲットに書いたのか微妙な記事になってしまったが、JR 東海の夏インターンに参加しに三島まで行った話だった。今回の記事が参考になる方がいるか……は怪しいところだが、もしいたら参考になれば幸いだ。
……といったところで今回はここまで。
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