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甘木鉄道と西鉄甘木線を乗りつぶしてJR久留米駅まで歩いた話

九州の西側を巡る旅行記、その6。今回は福岡県南部を走る2つのローカル線をまとめて乗りつぶしていく。

前回は佐賀市の中心部を軽く散策した後に吉野ヶ里遺跡へ向かい、無料巡回バスを有効活用しながら主要スポットを見終わったところまでを書いた。

今回はその続きで、神埼駅からスタート。

駅のホームに下りてから少し待つと鳥栖行きの列車がやってくる。日中時間帯の長崎本線は普通列車に限ると1時間 1~2 本ペースとなっており、便によっては最悪1時間近く待たされることもあるため、今回はタイミングが良かった。しかし2両編成か……。

便数も編成数も少ない普通列車に対して特急列車は充実しており、日中は1時間 4~5 本ペースで走っている。さすがは特急街道

ところで、この日の乗車券は JR 九州の株主優待券を利用している。普通列車はもちろん、特急や新幹線も特急券を課金すれば乗り放題というなかなか強力なフリーきっぷだ。

前々回、長崎~佐賀の移動でわざわざこの区間だけの学割乗車券を発券したのは、翌日に1日乗車券でガッと移動するためだったわけだ。特に今回の旅程だと神埼~吉野ヶ里公園を2回乗車しているので、フリーきっぷを活用しておきたい欲があった。

ちなみに、フリマや金券屋で買う場合(売買等はできませんと書いてあるが……)は損益分岐点が意外とシビアなので要注意だ。特に学生の場合は、普通に全区間を学割乗車券として発券する方が安い場合もある。うまく旅程を組んでいこう。

甘木鉄道乗りつぶし

で、終点の鳥栖で鹿児島本線の小倉行きに対面乗り換え。区間快速で1駅目の基山にて下車。

なんと隣のホームにはクルーズトレインななつ星in九州が停車していた。パッケージツアーという形式で販売されているため、先述の株主優待券では乗車できない列車だ。

で、跨線橋を渡ると甘木鉄道の列車がお出迎え。甘木鉄道は国鉄甘木線を継承して開業した第三セクターで、地元自治体のほか沿線に工場を持つキリンビールも出資している。

というわけで1両編成のディーゼルカーにごとごと揺られる。車窓からは畑の広がる田舎の原風景が見えたが、意外にも各駅で乗降があり地域の鉄道として使われている様子だった。

そんなこんなで終点の甘木駅に到着。他のお客さんに続いて運賃箱に現金を投入して下車。コスト削減のためか、IC カードは使用できない

ちなみに甘木駅は車両基地・車両工場も併設されているため、甘木鉄道の他の車両も一気に見学することができる。駅自体の規模も大きく、甘木鉄道では唯一の有人駅だ。……逆に言うと、ここ以外は無人駅。やはり徹底的にコスト削減しているなあ。

そのようなコスト削減に加え、先述したように利用客も比較的多いことから甘木鉄道の経営状況は三セクの中ではかなり良好とのこと。

国鉄時代は大赤字の限界ローカル路線だったそうだが、積極的な増便や新駅の開業によって利用客を増加・定着させ、経営状況を改善したというのは三セク化による公共交通改善のモデルケースと言えるだろう。

駅前のロータリーには「日本発祥の地」と大々的に謳う石碑が。この甘木の地にかつて邪馬台国が栄えていたという説を推しているようだ。

ところで駅舎の写真も撮った……はずだったのだが、なぜかこんな写真しか出てこなかった。きっと吉野ヶ里遺跡を歩きすぎて疲れていたのだろう。お昼を食べるタイミングも完全に逃してしまったし。

で、少し歩くと今度は西鉄甘木線甘木駅に到着。

ちなみに甘木鉄道も西鉄もどちらも甘木駅を名乗っている。至近とは言え別々の独立した駅が完全に同じ名前となっているのは珍しい。

西鉄甘木線を乗りつぶし

というわけで西鉄甘木線に乗車。2両編成の大牟田行きだ。前回の九州旅行で大牟田から西鉄福岡まで乗り通した大牟田線だが、末端部では各駅停車はほとんどが甘木線から直通するという運用になっているようだ。

甘木を出発した時点では車内はスカスカ。甘木から博多や天神に向かうなら甘木鉄道で JR や西鉄大牟田線に乗り継ぐ方が速いため、久留米へ向かう西鉄甘木線の需要はやや少ないのだろうか。

で、各駅でちょこちょこ人を拾いながら大牟田線に合流し、西鉄久留米駅でガッと人が乗ってきた。私はここで下車。

西鉄久留米駅はでかい駅ビルも併設されており、地方都市の中心駅といった風貌だ。

久留米を散策

で、そろそろ空腹に耐えられなくなってきたため駅近くの繁華街へ向かい、久留米ラーメンを食した。大変美味であった。

腹を満たしてから、JR 久留米駅に向かってアーケード商店街を歩く。西鉄久留米と JR 久留米は直線距離で 2km ほど離れており、徒歩だと最短ルートでも 30 分はかかってしまう。散策目的でないならバスを使うのが良い

アーケード商店街はそこそこの長さだがさすがに JR 久留米までは繋がっておらず、残り半分に少し届かないくらいのところで途切れてしまった。

で、そのまま駅までとほとほ歩いていく……と思ったのだが、時刻表を確認してみると次に来る列車は各停タイプのつばめとのこと。それならもう1本待ってさくらに乗るのが良さそう!ということで、時間を潰すために久留米城跡へ寄り道。

残念ながら天守閣などの建物は残されておらず、本丸跡地には篠山神社という神社が鎮座している。

建物が残されていないので正直なところあまり見どころはなかったのだが、城の裏手に広がる筑後川はなかなかの絶景だった。

あとは謎の聖徳太子像

……といった感じで久留米市の散策を終え、新幹線をネット予約しながら久留米駅へと向かった。

九州新幹線に初乗車

で、久留米駅に到着。駅舎は大変立派だが、駅周辺の人通りは少なく落ち着いた雰囲気だ。

ネット予約した特急券をその場で発券。株主優待券だと自動改札を通れないため、新幹線に乗る場合も有人改札を通過する必要がある。

で、ちょうどホームに上がった直後に接近放送が流れ始める。待ち時間ほぼゼロという効率的な旅程となった……が、良い感じの画角を探す前に列車が滑り込んできたため大変微妙な写真が出来上がってしまった

ちなみに前回の九州旅行では博多南~博多の区間で新幹線車両に乗車したが、九州新幹線に乗るのは今回が初めてだ。見た目は東海道新幹線と変わらない普通の N700 系だが、8両編成・全車電動車の山陽・九州新幹線用編成である。

車両とホームドアの間に随分なマージンが取られていたのが印象に残った。

山陽・九州新幹線用編成で嬉しいのが、指定席の列が 2-2 仕様であること。一瞬グリーン車と見間違うほどの豪華さ。ネット予約のe特急券なら自由席と変わらない値段で取れるためおすすめだ。

というわけで南に向かって移動開始。前日の長崎からずっと在来線鈍行での移動だったため、新幹線のあまりのスピードにうきうきしていた。

あっという間に熊本に到着するが、熊本は訪問済みなので今回はスルー。

新八代から南はほとんどがトンネルだったが、わずかに視界が開けるタイミングを見計らって車窓を眺めていた。佐賀~久留米は完全に雨だったがこっちの方は晴れ間も見えるなあ。

で、終点の鹿児島中央駅に到着。これにて九州の全ての県を訪問する実績を解除した。

先頭の方を見ると終着駅らしい車止めが。

……といったところでキリが良いので今回はここまでとしたい。ちなみに時系列が前後するが、この日の就寝直前に腕時計の歩数計を確認したところ4万歩となっていた。もちろん列車の揺れなどの誤検知も多いと思われるが、吉野ヶ里遺跡と久留米で歩きすぎたので大間違いというわけではなさそう。

というわけで次回、鹿児島編に続く!

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