![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148146641/rectangle_large_type_2_c03d71637daa7f7b9779b238831d7053.png?width=1200)
詩151/ 食べ残しのコーン
皿に残っていた
食べ残しのコーンが一粒
台所のシンクに
洗剤混じりの水と一緒に
流れ落ちていった
さっきのさっきまで
清潔で
美味しく
喜ばれる食べ物だったのに
人間の都合で
食べ残されたというだけで
一瞬でゴミになり
網に集められていく
なんて
俺達人間は
エゴに満ちた
自分勝手な生き物なのだろう
と
重い気持ちになっていたら
コーンは
顔色一つ変えずに
こう言った
何
僕のこと見てんの
ゴミってなんだい
ああ
そうか
君たちは
自分たちが要らなくなって
手元から離れるものを
ゴミと呼んでるんだね
でも
君たちが
僕らをゴミと呼んでも
僕らをどう思っていても
別に
誰に食べられようが
人間の作った施設で焼かれようが
細かく砕けて土や泥になろうが
居場所と姿形が変わるだけで
誰かしらの生き物が
生きていくための
養分として
地球のどこかにいる役目を
永遠に神様からもらって
流れ流れて
旅しているだけなんだよ
だから
何にも悲しくないよ
君も
そうではないの
何かが特別に
僕達と違うのかい
そう言われて
俺は
何も答えることが
出来なかった