一兎を追ったら二兎を得た ~転職して初週を過ごした感想~
転職すると決めたとき、「やりたい仕事」は全て捨てた。
思い浮かんだ仕事はいくつかあったけど、他に優先したい大切なことがあったから選択肢から外した。正社員で、残業が少なくて、それなりにしっかりした会社を選ぼうと心に決めた。
"他に優先したい大切なこと"とは、「暮らし」のことである。さらに具体的に書くと、『人生で一度は東京に住んで、いっぱい遊びたい』という夢のことだ。字面にするとアホらしいが、私はガチである。
昔から舞台やアイドル、お笑い、美術館や博物館が好きで、何もかもが集まる東京への憧れが人一倍強かった。
これまで学業や転勤の関係で、地元以外にも広島、大阪、福岡、岡山に住んだことがある。
年をとれば諦めがつくかなとか、他の場所でも良いところはいっぱいあるよなとか考えてはいたけど、どこに住んでも東京への気持ちは消えなかった。こればっかりはもうどうしたって諦められないんだと悟った。たぶん、一度自分で経験してみないと諦めがつかないタイプなんだと思う。考えるよりやってみるを地で行く人間だ。
20代半ばになり、いま動かなかったら一生「東京に住む」という夢を叶えずに死ぬ気がして、心機一転住まいを変えるために転職した。
もちろん他にも理由はあるけど、結局一番の理由ってこの東京への憧れだったと思う。…というか、もはや憧れを超えて執着だったのかもしれない。今回東京に来なければ、たぶん墓に入っても後悔していた気がするから、それだけでも十分来てよかったなと思う。
転職して初めての一週間が終わった。
感想としては、「転職して良かった」が一番に来る。びっくりするくらい私の理想的な職場だった。社風はもちろん、何より配属ガチャが大当たりだった。
驚くことに、自分が考えていた「やりたい仕事」の一つが目の前にあったのだ。
とにかく仕事内容より福利厚生や残業等の環境を重視して転職活動をしていたから、どんなことでもやるつもりでいた。でも、周りまわって気づいたら、やりたいことに携われる環境にあった。
一応面接では希望の部署を答えたけど、叶わないことが大半だと思っていた。それは前の会社で周りを見て実感していたし、会社員なんてどこもそんなものだと思う。だから、最初から通ることがあるんだと驚いた。(先輩に聞くと、「希望が叶うことはあんまりないから最初で最後かもね」と言っていたので、私は超絶ラッキー人間であるらしい。)
数年経つと部署変えがあるから、いつかは終わる仕事だ。それは「やりたい仕事」優先で考えた転職ではないから仕方のないことだと思う。でも、一度でも携われるということが、私にとっては何よりも大切だった。
基本的に定時退社で、福利厚生もそれなりにあって、周りの人たちが優しくて穏やかという理想的な会社でやりたいことができる。
こんなにも運が良くていいのかと怖くなる。
二兎追うものは一兎をも得ずとよく言うが、一兎を追っていたら知らず知らずのうちに二兎を得ていた。とんでもないミラクルだ。
去年頑張ってよかったなと心の底から思う。
あのとき必死になって転職活動してよかった。泣いたり身体を不調にしたりした甲斐があった。
自分がいま感じている幸せな気持ちを、ずっと残していたいなと思う。この先慣れていくとは思うけど、心が踊る感覚や飛び上がるような喜び、きらきらした気持ちを抱いたことは絶対に忘れたくない。だからこのnoteを書いている。
仕事だけじゃなくて、ビルの上から東京の街並みを眺めること、賑やかな商店街で買い物をすること、帰り道に大きな本屋にふらっと寄れること、そういう自分で踏み出して手にしたものをこれからも大切にできる人でありたい。
自分のことだからおかしな表現にはなるけど、私は、必死になって行動した過去の自分に胸を張れる日々を送りたい。
決断は間違いじゃなかったと今のところ思っているから、一生そう思えるような働き方と生き方をしていこうと思う。
驕ることなく、周りを思いやって大切にして、役に立てる人になりたい。
必要とされたい。
ここにいても良いよって言われる人材になりたい。
前のめりになりすぎず、前向きにやりたい。
自分で選んだ決断を、これからも正解にしていこうと思う。
がんばるぞ〜。